なんでもない自分
会社辞めました。
どうして辞めたかはここで語るほどのことではない。
会社のことをあれこれ言うのも、別れた男の悪口を言うようで潔くない。
と、さらっと思えるようになるまで1ヶ月かかりました。
いつのまにか染み付いた灰汁のようなものを流すのに必要な時間だった。
しかし、会社を辞めた働かない自分というのはこう、宙ぶらりんな感じがする。
この感じ、いつかどこかで感じたことがあるなあと思い出すと、
それは大学を卒業したあとの日々であった。
就職はとりあえず決まっていて、4月からは社会人になる。
今まで長年「学生」をやってきたが、もはや学生ではない。
つまり今は「なんでもない自分」なわけだ。
人に説明するときに、なんと言えばよいのだろう。
「えーと就職待ちの学生上がりです」
なんともなさけない。
「学生」だったらキャリアも十分、いばって名乗れるところだ。
しかしこれからなる「社会人」としてはぺーぺーで、使えないただの22歳。
そう考えるとたいしたことのない自分がことさら不安だったなあ。
今、その当時と同じような気分でいる。
「わたくし、○○のはなみです」と所属するもののない自分。
こらからのこともまだわからない自分。
当時と違うのは、オットがいて息子がいること。
「○○の妻」「○○のおかあさん」というポジションがあるわけだ。
しかしこれはとっても危険だな。
チャレンジが怖いから目をつむり、そこに甘んじてしまう可能性があるからだ。
「こどもが小さいうちは側にいてあげなくちゃ」などというもっともらしい言葉も、弱気なこころにすうっと入ってきて腰を重くする。
そんなとき、あの社会人未満の自分が言っていた言葉を思い出す。
『どんなプロも、最初はみんな素人だった』
そう気がついてからどれだけ勇気がわいてきたか。
ずいぶん月日がたって年もとったけど、
あのころと同じ状況にいる自分が
あのころの自分に励まされている。
さあ、ゼロだ。今以下にはならない。気楽にやってみよう。
かーちゃん、未知なる世界にチャレンジ開始いたします。
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