お師匠の あゆ
月に一度、お煎茶のお稽古に通ってもうかれこれ2年になる。
今日はそのお稽古の日。
きものを着て、ちょびを実家に預けてお稽古へ。
2年も続けている割には不出来な弟子で、覚えも行儀もどーかと思うが、
お師匠はおおらかに見守り、稽古をつけてくださる。
お師匠のお宅に伺い玄関で草履を脱いだときから、日常もすこし離れる。
三日坊主のわたしがこうしてこつこつお稽古を続けられるのも、
この、いつもと違う時間の流れがとても心地よいからでもある。
折々のしつらいも目に麗しく、毎月季節が動いてゆくのをここで感じる。
そして、気が置けないお茶仲間と、お煎茶をしみじみ味わいながらかわすとりとめのない話しもこれまた楽しい。
ここ最近またひとつ楽しみが増えた。
それはお師匠お手製のお菓子である。
今月は目にも涼やかなお菓子。
清流に鮎が三匹、きもちよさそうに泳いでいるのがおわかりだろうか。
水底には小石に見立てたあずきが。美しい〜!
お師匠はわたしとそんなに年が違わない。
若くして異例の早さで教授になられた才能の人。
もちろん才能やひらめきだけじゃなくて、長年しっかりとお勉強もされている。
なのにちっとも気取ったところのない、かわいい方。
好きなことにはものすごい集中力を発揮されるのよね。
だからお菓子作りも玄人はだし。すごいなあ〜。
わたしがいただいたのはこのあゆだけど、ほかに金魚となでしこのお菓子があった。
みんな宝石のようなお菓子をみつめて、しばし我を忘れる。
どこかの山陰の清流の音や香りを思い出していました。
イマジネーションで味わう日本のお菓子。ほんとうに美しいですね。
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