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2005年9月 1日 (木)

奄美大島三昧

ここんとこ、猛チャージでテンションあげて、就職活動、

しとりました。

で、今、気が抜けてショボーンとしとります。

昨日は、気分をかえて、「奄美大島三昧」ってイベントに

行ってきました。

4ヶ月無料着付け教室を開催している日本和装主催のイベント。

この日本和装っていうのは、きもの文化をもっと広げたい

きもの業者の団体で、まずは自分で着られるようになってほしいと、
無料着付け教室を全国で展開している。

で、ほんとにタダで良心的なんだけど、時々開催される

きものセミナーで、本物の帯やきものの勉強をしつつ、

特価で購入できる仕組みになっていて、

ま、授業料がわりに生徒さんはそこで買ったりするわけです。

わたしも渡文の帯クイックローンで買いましたとも。

今回もそういった趣旨のイベントだったんだけど、

本場奄美大島から、あの大島紬の作者さんがやってくる、

それだけでもちょっと行ってみたかった。

絶対買わないぞと自分に強く言い聞かせて参加。

前裕和さんという作家のおじさんが、資料にそって

「大島紬とは」の講義を2時間ほど。

綾小路きみまろよろしく、参加者のおば樣方のハートを

トークとだじゃれでぎゅっとつかんでゆく。

奄美の方言もいくつか教えてもらった。

挨拶の言葉は「ウガミショウラ」、字を当てると 「拝み紹ら」

美人のことは「キュラムン」は「清ら者」

丁寧でうつくしい、古い日本の言葉がのこっている。

おじさんの弾くサンシンの音色にあわせてみんなで

「島育ち」を合唱。(わたしは知らない)

会場は一挙に奄美大島気分。

そして、大島紬ができるまでの工程を解説してもらう。

50以上もの工程があって、デザインから織つけまで

半年もかかるんだそうだ。

絣もようを作って染め、こまかな柄を合わせて織る。

気の遠くなるような作業をいくつもいくつも経て、

この一反の着尺ができあがるんだ。

「2大紬といえば、大島紬と結城紬ですが、結城の方が

 高いでしょ?それは内地で工賃が高いからです。

 大島はね、一日中泥田の中で作業しても、

 日給せいぜい5千円くらい。だってそれでもしなきゃ

 あとはさとうきび作るしかないんだから。

 その工賃の安さで、この値段になってるんです」

それはぐーっと胸にささる言葉であった。

そうやって低賃金の過酷な労働の末に、この美しい織物がうまれ、

それをお金持ちがしゃなりと着て遊ぶのだ。

だけどそんなことより、低賃金でもなんでも、

これほどまでに緻密に、技の鋭さだけに腐心して織る

その職人さんたちの働くたましいに尊敬。

仕事もせずにこーして昼日中からあそんでる、

わたしなんかと精神構造がちがうのだ。

ペンをもつ手もうなだれつつ、山のようにつまれた

大島紬がよりいっそう輝いて見えるようだった。



お昼休憩は、そごう食堂街の日本料理屋さんでランチ。

昼食代の1000円にしてはコストパフォーマンスのよい

お昼御膳でした。

午後から大島をお買い求めになる方のおごりだな。

ごちそうさまです。

そしてお待ちかね、いよいよ「大島紬触り放題タイム」

山のように積まれた反物の数々を、片っ端から広げてみてヨシ!

のサービスタイム。

こんなに一堂に大島紬を見るチャンスなんてめったにない。

おば樣方もわっと散り、思い思いに広げ始める。

するってーとスタッフの動きもいっそう慌ただしくなる。

試着用の全身鏡がどかどか登場し、あててみるための

美容襟や腰紐がどどっと配られる。

反物を肩にあてただけではよくわからないが、

プロの手によってみるみるまるで着つけているかのように

仕上がっていく。

すると「やっぱりいいわねぇ〜!!」となるわけだ。

それに合う帯や帯締めなんかもコーディネイトされてね。

あなたこれがいいわよ、着て見なさいよ、

これは珍しいのよ、ちょっと試してみなさいよ、

あっら〜よく似合うわよ、色がいいわよ〜・・・

おば樣方もトランス状態。

今日はたして何反売れるのであろうか。

ちなみに、反物には値札がない。

かわりに符号のような札がついていて、そこに値段が隠されている。

その隠され方がわかってしまって、値段と見比べながら

じっくり見学。

やっぱり値段は正直だなー。

こ、これはすばらしい!と思ったら120万だった。

なかなかそんなもの、怖くて普段は触れないよ。

しみじみじっくり見て、さわって、

遠い南の島の織子さんに思いをはせつつ、

熱狂する会場からそーっと抜けて帰ったのでした。

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