へこんではずんで
いろんなことがめまぐるしくあった。
きりきりきりきり忙しくて荒んでオットとケンカした。
原因はササイなことだ。
謝る気もおきなくて、無言冷戦の日々が続いた。
帰宅後なきわめく息子に大声をあげた。
びっくりして引き付けたように泣く子どもを見て、
いったいわたしはなにをしてるんだろう、と思った。
なにはさておき、家族が一番、なんてわかったつもりでいたけど、
このザマだ。
このイライラの原因はなんだろう?
心に深くダイブして、感じるセンサーに耳を澄ます。
ああ、いやだったんだねえ。
悪口をいうひとが、狭い了見が、志の低さが、自分勝手が、
クオリティの低さが、さもしさが、独断が、
それを言い出せない自分が。
それを、家族に甘えて当たっていた、
そんな自分もいやだったんだねえ。
3連休、ほんとうにゆっくりした。
自宅のパソコンの電源ケーブルが断線し、つかえなくなった。
おかげさまで、自宅で一切仕事ができなかった。
スケジュールはおそろしいけど、めをつむる。
土曜日は、息子の運動会だった。
1さい8かげつの息子が、団体競技に、参加して走っているのである。
かーちゃんは猛烈に泣けてきた。
しらないうちに、こんなにおおきくなって、たくましくなって。
かーちゃんとは明後日の方向にダッシュしてったけど、
よいよい。よくできました。
息子に、やさしくしようとおもった。
日曜日は、新築のお宅におよばれ。
そこは豪邸ではなかったが、むしろ彼らは豪邸なぞ望んでおらず、
いかに自分たちが心地よく住まえるか、
それだけに心を砕いた傑作であった。
知らないということは依存を産む。
だから彼らは依存せず、全て知り選択し自分で手を動かし、
生活のすべてをととのえていくのである。
そこでいただいたごはんがまた、素晴らしかった。
「ほんの手抜き料理で」と彼女は謙遜するけれど、
どれもきちんとつくられていて、あたたかで、ほんとにうまかった。
作り方を聞いたけれども、再現できるんかな。
短時間でいかに品数と栄養を確保するかに腐心してきた
わたしの料理なんかとおおもとがちがう。
おいしいことが最重要課題なのだから。
きちんとつくることの大切さを改めて思った。
月曜日、祝日。きょうはオットと一緒の休みだ。
冷戦もすこし弛んできたので、家族でドライブに行くことにした。
かーちゃん昨日のお宅で受けた刺激でもって、お弁当をこさえた。
香茸の炊き込みごはんでおにぎり。
甘くてお酒のきいた出汁巻きたまご。
砂糖醤油に付け込んだお肉を網で焼いて、
えのきのベーコン巻きに、鶏の磯辺焼き、
あらら、うちの母の弁当そっくり。茶色くて砂漠のような弁当だ。
あわててミニトマトやら青菜で彩りを加えて完成。
うーん、料理3級レベルのわたしにしてはま、こんなもんでしょう。
その弁当を持って向かった先は、広島市森林公園。
温品バイパスの終点から登っていったところにある。車で約20分。
は?ドライブ??
しかし行ってみると案外山の上だし、程々に整備されて緑が美しく、
子連れで遊ぶのにはもってこいの場所だった。
息子は歓声をあげて少々の坂道もたかたかと走る。
木陰の芝生に敷物をしいて、お弁当をひろげる。
おいしいねー、すずしいねー、きもちいいねー。
気が付けばみんな笑顔だった。
これが、一番大事なことだった。
取り戻すことができて、ほんとうによかった。
休日を、こころゆくまで楽しんだ3日間。
するとどうだろう。新しい力が芽生えた。
もう、恐いものがなくなったのだ。
戦える。反論できる。却下できる。異義を唱えられる。
すると曇っていたわたしの心が晴れた。
ああ、ここから新しいものがうまれる。
そう予感できる瞬間があった。
すこしずつ、すこしずつ、叶えてゆく。
それは笑い飛ばす力が、叶えてくれるのだ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
先日私が帰宅すると息子が大泣き、妻もかなり苛立っている。
後で聞けば、昼からずっと息子が不機嫌で、抱っこから降ろすと途端に泣き出す始末。
お乳やおしめ等気が付くことすべてやったのに一向に泣き止まず、妻も抱っこに疲れたのと家事が出来ないのとでいらいらしていたようだ。
それが悪循環になってまた息子も泣いて・・・。
しかし、私が帰るなり大爆笑したのがきっかけで状況は一変した。
息子がなんとも情けない変な顔で泣いているのを見て思わず大爆笑したのだが、2ヶ月半の息子も私につられて笑ってしまい、妻もその息子の笑顔を見るとほっとして笑う。
その後息子はご機嫌になり、妻も息子の笑顔を見ながらせっせと家事に専念し。
やはり笑いや笑顔は大切ですね。
そして、やっぱり息子の笑顔が私達夫婦にとって一番の心の特効薬だなと痛感しました。
投稿: ジロー | 2005年10月12日 (水) 午後 06時04分
うちがマンションを買うのを検討し始めた4年位前、
抽選申し込み直前!!だけどカタログ見てもスペック
わかんないよ!!買っていいのか??という事態で、
住宅全般に詳しい彼女に相談したことがあります。
突然の夜のコールにもかかわらず詳しく丁寧に教えて
くださった彼女。感謝しております。結局安藤ちの住居は、
「吊るしの背広」を買ったわけですが、知識も知恵も意欲
もないからしょうがないですよね。
彼女のお家はあらゆるアイデアの詰まった賢者の家で
しょうなぁ。一度拝見してみたいです。
彼女が料理するさまを数度間近でみたことがあります。
美しい立ち居振る舞いでキリキリキリと弓を引く。
このまま矢を放っても的に当たるのは確実なのに。だけど
彼女は弓をゆるめます。何かを考え直し、またキリキリキリ
と弓を引きなおします。今度はもっと強く。
だけどまた彼女は弓をゆるめます。同じように何かを考え直し、
またキリキリキリと弓を引きなおします。もっともっと強く。
そして放たれた矢。ど真ん中。そりゃうまい。真似できないです。
#お茶のお師匠さんとかアロハの女王様とか黒皮の手帳の銀座ママ
#とか自宅でマッタリ主婦とか・・・異装でのはなみさんしか見た
#ことないですから、普通の格好で三越裏で会っても一瞬誰?とか
#思っちゃいますよ(笑)。
投稿: 安藤トロワー | 2005年10月12日 (水) 午後 10時35分
ジローさん、笑い飛ばしてっもらって、おくさまもほっとしたんでしょうね。よかったですねー。
ほんと、余裕なくなると笑顔消えるもんね。
意地でもスマイルです!!
安藤さん、うちも吊しです(苦笑)
自分が家を建てる・・・考えつかない・・・
そう、彼女が矢をつがえる姿はほんとにかっこいい。
うまいものを産み出すその姿は命にみちあふれています。
安藤さんだって安藤家の一切のごはんを産み出してるじゃないですかー。尊敬します。かっこいいです。
かーちゃんも、なるべくうまいものをつくりたいと思います。
#ふふふ、安藤さん、ありゃあ「お仕事コスプレ」よ。
#ふつうのかっこじゃあーりませんのよ!!オホホ
投稿: はなみ | 2005年10月23日 (日) 午前 02時10分