歌うちょび
知らないうちに育っている、息子ちょび1さい10かげつ。
テレビをぼーっと見ているかとおもったら、うなるようにつぶやいていた。
よーく聞いたら、「あらーぶー・・・」
なんとCMの尾崎豊の曲をなぞって歌っているのであった。
歌ってる!?
車の中でも斉藤和義とセッションしていた。
ボタンを押すと英語の歌が流れるおもちゃとも共演していた。
たぶん歌詞をまねしてるんだと思う。
だから音痴である。
でも、メロディーにのせて、確かに歌っているのだった。
言葉も増えてきた。
「あっかーばっふー、きろばっふー、あをばっふー!」
ものすごく自慢げだ。
しかしやつはなぜか「みどり」が言えない。
これは?と緑色の車を指すと、「げしし」と笑ってごまかすのだった。
「あ、しんかんしぇん、ばっばーい」
「あ、たくすぃー、ばっばーい」
「あ、とらっく、ばっばーい」
「わーしゅげー、しゅげーねぇー」
あんたのほうがすごいよ。
どうして男子は働く車や電車が好きなのだろうか。
教えたわけでもないのにね。
新しい遊びも見つけた。
これはオットが教えた技だ。
おふろの湯船に洗面器を浮かべる。
そこに冷たい水を注ぐ。
冷たい水の中に両手をつける。
その手を湯船の熱いお湯につける。
さらに金属製の冷たい手すりを握る。
温度差を楽しむという、高等技術である。
はいこっち〜はいつぎ〜はいそっち〜、ひょ〜う!!
というかけ声にあわせて神妙な面持ちで両手を移動させる。
「ひょ〜う!!」のところ、達成感満面。
なんでも一生懸命なのである。
そしてテレビのCMが大好きなちょび。
ここのところデジタル放送開始を見越してか歳末商戦かしらないが
やたらと新型テレビのCMが流れる。
そこには、美しい花畑や、星空や、虹が広がる。
「あ!あ!しゅげー!しゅげーねー!」
と、画面に10センチくらいまで大接近して興奮する。
ああ、きれいだねえ。
そしてはっとする。
このひと、まだ本当の景色を知らないんだ。
本物の花畑も、こぼれそうな星空も、虹も。
テレビでしか見たことがないのだ。
ああ、本物をみせてやりたい。
こんなしょぼいもんじゃないぜ。
本当に、しゅげー!んだぜ。
そこには温度も、においも、気配もあるんだぜ。
おまえはまだ知らないんだ。
いっぱいいっぱいみせてやりたい。
かーちゃんが見てきたいろんな景色を
ぜーんぶ見せてやりたい。
世界は恐ろしく広くていろいろなんだぜ。
おまえは全部見なさい。
ちっちゃいひとよ、
かーちゃんはぎゅううっとしました。
育つということは、なかなかにドラマティックなことであります。
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コメント
うちの息子ももう4ヶ月。
最近はげらげら笑うようになりました。
しかし、どこに笑いの壺があるのかは今だ不明。
同じ事をしたからといって息子はそこまで笑うわけではない。
しかし、ただ一つ言えることは、最近私達を父と母とまではわからないが、お気に入りの大事な人と認識してくれていること。
そしてその二人の行動を一生懸命見つめていること。
二人の話している事を聞いているということ。
先日出張から帰った私が妻に色々出来事を話していると、突然横から笑い声が!
どうやら私の話し方が面白かったらしい。
またある日、二人が久し振りに喧嘩した時、いままでまったくいい子で遊んでいた息子が突然泣き出した。
二人の意識が喧嘩そっちのけで息子に向くと、けろっと泣き止むのだ。
どうやら喧嘩の仲裁をしてくれたらしい。
毎日成長してゆく息子を見れて、今本当に幸せです。
投稿: ジロー | 2005年12月 7日 (水) 午後 11時10分