おしごと
ということで、今年から個人事業主となった。
表向き、とある会社の社員として名刺を持つが、
給与ではなく「報酬」として、毎月定額支払ってもらう契約だ。
フリーのような収入の浮き沈みはない。
売掛金を回収するリスクもなくて月々定額現金払い。
しかし、
額の大きな仕事を動かしても報酬は変わらない。
社員のようにベースアップも約束されていない。
個人経営者というのは全部自己責任で、全部やらないといけない。
報酬は収入ではなく、経費の管理も必要だし、納税手続きもある。
いままでみたいに、振り込まれた金額を無頓着に使えないのである。
いやー、当たり前のことなんですけどね。
今まで、どっか人任せだったんでしょう。
しかし、こうやってあらためて自分の少ない稼ぎをマネジメントする必要にせまられたことで、背筋がシーンとなる感覚を覚えた。
さて、その少ない報酬で飼われている私。
なぜか腑に落ちないものを抱えて沈んでいるです。
転職してこの会社におしかけた目的は、たしかにあった。
でも、それは、なんというか、
そこにあると思ってようやくたどり着くと消える砂漠の蜃気楼のようなものであった。
がっかりしてばかりいても始まらないんだけどな。
人間は、二足歩行をすることで、狩りで得た獲物を、
洞窟で待つ家族のもとに楽に持ち帰ることができるようになったんだそうだ。
自分1人の空腹を満たす歓びよりも、
自分以外の、誰か大切な人が喜んでくれることを
成し得た快感の方が強いということが、
わたしたちには深く刷り込まれているのだ、と
村上龍は言っていた。
そういうものを、仕事に求めるのは無理なんだろうか。
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