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2006年2月 7日 (火)

さらば会社

取材から帰ってきたスタッフが、お土産をいただいてきた。
織部最中だ。

女子たちの表情が華やぐ。

手があいていたので、美味しいお茶をいれる。
最中とお茶を配りながら、心の中で
「みんながんばってね」とつぶやく。

昨日、社長に2月一杯で退職する旨を告げた。
もともと正社員ではないので、退職というより契約終了だけど。
二の句も告げない社長。お世話になりました。

昨年9月に押しかけ、年明け2月でさようなら。
倫理的道徳的常識的観点からすれば、
「石の上にも3年」だし、
「まだ勉強するべき余地があるはず」だし、
「合わない人と上手に合わせて行くのも努力のうち」だし、
その思いが自分を縛って年を越した。

でも、自分が仕事において大事にしたい価値観が存在しない場所では、もう難しく、それを変えてやろうというのはおこがましくかつ大きなお世話であることをしみじみ理解した。

わたしは次に進まなくては。

この会社には女子社員しかいない。
彼女たちの最初の印象は「草食動物みたい」ということだった。
モニター見つめて反芻する、静かな生き物たち。
一人一人はいい人だし、かわいいし、それなりにおしゃれもして
趣味もあれば恋もして(たぶん)、知的だしグルメだ。

だけど、どうしてそんな印象を受けたのだろう。
たぶん、自分で考えて表現して動くことが、少ないからじゃないか、
そう推測する。
与えられた仕事を、勤勉に仕上げてゆくその丁寧さはすばらしいが、
そこにあなたはいるのか?
こういう仕事をする人がいなければ、世の中の大半は成り立たない。
大切な役割かもしれない。
でも、群れのリーダーが喰われれば、みな喰われるのだ。たぶん。

この会社で10年近く働いている彼女の技術はすばらしい。
だけど、外を知らない。
社長の言うことは正しくて、社長の判断が常に基準だと思っている。
かつて私もこうだった。
知らない方が案外幸せということもある。

経営者は自らリスクを背負って従業員を養い、
なんらかの信念で仕事をしているのである。
それはそういう立場に立つものでしか分からないし、
そういう立場にないものがとやかく言う資格はない。

この牧場に突然やってきたチンパンジーは、さっそく飽きて、
どこかに行こうとしている。
でももうどこの牧場にも豊かな世界はないことを
うすうす気がついてしまった。
森へ、分け入ろう。
そこにはヘビがいるトラがいる暗くて怖い。
だけど輝くような果実が実る木は
そこにいかなくては見つけられないのだろうと思う。

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コメント

チンパンジー、お疲れ様。
今度はどこの森、いや大陸に行くのかね?
コアラも地道に美味しいユーカリの木を探し渡り歩いているよ。

投稿: 尻臼 | 2006年2月 9日 (木) 午前 11時20分

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