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2006年2月11日 (土)

かあちゃんが働くと

先日三越の占いに行ったときのこと。
わたしの前に占ってもらったのが、40代後半くらいの女性だった。
相談内容は、息子の心配事だった。
福岡の大学に通う長男の就職が心配でたまらない様子。
聞くまいとしても漏れ聞こえる相談。
先生の声もでかいのでよく響く。
「大学の3年でこの春4年になるんですけど、経済学部に行ってるんですけど、銀行の残高を記帳しなさいって言ってもしないし、連絡もしてこないし、ちゃんとしないんですあの子は。先生どんな仕事に就いたら適正でしょうか。ちゃんと広島に帰ってくるんでしょうか」云々。
すがるように切々と悩みを話す。
「広島に帰すとだめになりますよ」
「営業が向いてますね」
などと先生もいろいろアドバイスをしていたが、食い下がるおかあさんにだんだん声が大きくなって
「あなた、チョー過保護!だめです!」
チョー!? はともかくとして、確かにそうかも。

息子が心配で心配でたまらない、それはよく分かる、
でも3さいや小学生ではなく、もうハタチすぎた青年なんだし。
それより彼女はさむいのに素足でスニーカーを履き、
サイズの合わないジャケットの背中が、なんだか哀しかった。


この前、おーきいおいさんが私にこう言った。
「できれば、仕事より息子との時間を大切にしてほしい。
おまえはかーちゃん家におったけ分からんと思うけど、
わし保育園で、ものすご寂しかった。
家に帰ってもかーちゃんおらん寂しさ、
自分の息子にもちょびにも、おんなじ思いさせとーないんよ」

未来の息子から言われたようで落ち込んだ。
寂しい思いは、わたしだってさせたくはない。

「おまえがやらんといけん、世の中に必要じゃ、
いう仕事じゃないんなら、息子との時間を優先すべきじゃないか」

わたしじゃなきゃいけん仕事なんかこの世にない。
息子に寂しい思いをさせて、わずかばかり稼いで、
家の掃除もご飯もままならんで、
そんなんで働く意味があるんか。

母親の責任とは?

胸が塞いだ。

その気持ちを、素直にオットに話してみる。
「おれも家に帰ったらとーさんがおったけえ、
その気持ちはようわからんけど・・・
あんたは家におる人じゃないでしょ」

うーん。
仕事をやめて家にいて、
息子と毎日一緒に過ごす日々はどうなんだろう。

それで充足感があれば問題ない。
しかし産休の1年、じりじりと焦がれるように過ごしたあの時間を思い出せば、わたしは仕事を持たない状態でいるほうが精神状態が不安定になるのではないかと思う。

なにか、こう、
影響を及ぼしたい、もっといいと思えるものに出会いたい、
素晴らしいものをつくりたい、それがすげーと知らせたい、
よくわからないけどそんな思いが走って走って、
たぶんそれを閉じ込め家にいたら
むしろ息子にゆがんだ接し方をしてしまいそうな気がする。

叶えられなかった自分の思いを、息子に託しそうな気がする。

自分以外の人間の人生を思い通りにしたいと思いそうになる気がする。

それは不健康なことだと思う。

もしかしたら、三越の占いに来ていた、あの母親のように
わたしもなってしまうかもしれない。

オットを、息子を、家庭を大事にするには、
まず自分の人生を大事に、充実させることが近道なんじゃないかと
そう思うのだが・・・

その答えは数十年後に出る。

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コメント

小さい頃は、すぐ隣にじーちゃんとばーちゃんの家があったけえ、親が共働きでも「さびしい」と思ったことはなかったけど。うーん。どーなんじゃろう?
うちの母いわく、「あんたは初めて保育園に行った日もぜんぜん泣かんかった」そうなんで、参考にならんと思うが。
小学生くらいの時なんか、たった一人で広くもない家の中を探検するような気分で楽しかったような…。

そんなんが今現在にいたるです。

投稿: ハムニダ薫 | 2006年2月11日 (土) 午後 11時03分

子どもさんも無事に2歳になったようでなによりです。保育園の件ですが、深刻にならなくてもいいと思います。うちは働きたくても、夫は海外赴任、身内は県内にいませんので無理。はなみさんは相当恵まれてますよん。ご自分が納得されたうえで働き、ご家族の理解や協力に素直に感謝されたら数十年後の答えなんて気にする必要はないと感じます。だってその頃には自分は年配、子どもは大人ですもの。まあ、なるようにしかなりません。とはいえ、私も相当今、悩んでる最中で結構辛いです。でも負けませんよー。でも、月日は平等に過ぎ去るので悩みながらでも生きていくことに意義があると考えてます。ある意味、免疫になるのかな?

投稿: ピノキオ | 2006年2月12日 (日) 午前 04時59分

はなみさんの御主人、夫の鑑だね。
迷える妻の背中を、さりげなく押す。妻が押して欲しいと思ってる方向に。

四六時中一緒にいても、他のことばっかり考えてる恋人よりも、会える時間は少なくても、一緒にいる時にはアツアツの恋人のほうがいいと思わん?
年金もらうまで働くぞ~って、腹くくったほうが、子供に向き合う時の気持ちに迷いが出ないんじゃないかなあ。

寂しい思いはさせるかもしれない。でも、ちょび君が世界中を敵に回しても、かーちゃんだけは味方、だよね。そういうほうが、はなみさんらしいと思う。

投稿: アーメイ | 2006年2月13日 (月) 午前 12時33分

初めまして。広島美女軍団の団長におうかがいして、
ブログを拝見させていただいています。伊藤家(嫁)です。
5月に出産を控え、どきどきの日々を送っていまして、
はなみさんの日記にとても励まされています。
出産後、しばらくは産休を取るつもりなのですが、
その後のことは、具体的には考えていません。
何がなにやら、どうすれば。。。というところなのですが、
やっぱり答えは数十年後なんですよね。
数十年後、子どもに依存することなく、かっこいい母親に
なっていられるのだろうか。そんなことを
妊娠7カ月のうちから考えてみたり、悩んでみたり。
ああ、とりとめのないコメントになってしまいました。ごめんなさい。
今度はもう少し考えまとめてから書きまっす!すいません。では!

投稿: 伊藤家(嫁) | 2006年2月13日 (月) 午前 10時20分

みなさま、ありがとう。

>ハムニダちゃん
ちっちゃいころからハムニダ節だったのね。
性格というのは80%くらい、持って産まれたものなのかもね。

>ピノキオさま
msj-kの日記、いつも拝見しています。
ダンナ様海外赴任、ほんと大変だと思います。心の距離は物理的距離に負けないけど、その瞬間に聞いて欲しいことが伝わらないもどかしさは、きっとありますね。
それにしても、「ひとりじゃないもん」って言ってくれる5さいの息子くん、かーちゃん孝行だねぇ。
かーちゃんだってめそめそもクヨクヨもするけれど、そんなかーちゃんでもきっと息子は大好きなんですね。
思うより、子供ってタフなのかもしれませんね。
迷えるハハ同士、迷走しながらも前進しましょう!

>アーメイさま
ありがとね。そういってもらえると、そうだと思えるよ。
自分で自分に言い聞かせても、どこかに“負い目”みたいなものがあってすっきりしなかったけど、でも、そういう気持ちがじめじめ息子に伝わるのがよくないんだと、今は思えます。
ま、ちょびが世界中を敵にまわすより先に、かーちゃんが世界中の目の敵にされそうですが、見捨てないでくれちょび〜〜!

>伊藤家(嫁)さま
こちらこそすてきなHP拝見させていただいております。
ああ妊娠7ヶ月!でっかいハラもますます幸せ満タンですね。ほんと、産んでみるまで分からないことばっかしでしたが、今だって育ててみないとわからないことばっかしで、それでも振り返ればなんとかなっている、という日々でございます。
産後のお仕事のことは、きっとあかちゃんとの生活に慣れた頃、息継ぎをするように「思い」がよみがえると思います。そしたらそこから思うようにハンドルを切ればいいと思います。
マタニティライフの息抜きに、また遊びにいらしてくださいね。
えー子を産んでくだされや〜。「広島美女軍団 美人母部隊」(勝手に今つくった)として共に戦おうぞ!(何と!?)

投稿: はなみ | 2006年2月14日 (火) 午後 03時07分

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