茶芸デビュー
今から4年ほど前、友人の家で中国茶をいただき、
その味と香りに驚愕し、夢中になった。
ボンターヂという中国茶のお店でお茶会に参加し、
「飲めるものならみんな好き」な、
素晴らしき茶馬鹿友達に出会った。
類は友を呼ぶ勢いでのめり込み、中国茶アドバイザーの
試験を受験しに東京まで行った。
テイスティング、茶芸実技の特訓は、得難い経験だった。
おかげで自分の中に経験値がそろった。
東京では、素晴らしい茶飲みの先達に出会った。
試験?資格?そんなの茶を楽しむのに必要なものなの?
風流で茶を沸かし、仙境に遊ぶ彼らのスタイルに憧れた。
茶飲み仲間にお抹茶・お煎茶のお師匠がいらして
「お茶、やってみない?きもので。たのしいわよ」
とうまいこと誘われて、下手の横好き、
月に一度のお煎茶の稽古は出産前後の2、3ヶ月を除いて
ほぼ毎月通わせていただいている。
そうして、日々お茶を楽しむ暮らしを送るようになった。
隙あらばお茶で遊んでやろうと、そういう計画だけは
ばばばっと決まり、お茶会や野点や、いろいろ遊ばせていただいてきた。
そんなある日、散歩コースのとあるアンティーク着物屋さんを
覗いた時のこと、なにげない会話でお茶の話しになった。
「ええ、お煎茶のお稽古に通っているので、月に一度はきもの着るんですよ」
「・・・お煎茶されてるの・・・!」
時は3月、もうすぐ花見、花見遊びの宴に
お茶席があったらいいねえ、と話していた矢先のことだったんだそうだ。
そのお店では着付け教室をされていて、着物が着られるようになったらば、やっぱり着物でおでかけしたい、そこでお食事会をしたり、お祭りにいったり、お花見したり、いろいろ着物遊びをされているんだそうだ。
お店の中には、いろんな写真が貼られていた。
みなさん、色とりどりに上手に着物を着こなしてらっしゃって
なんとも楽しそうだ。
「よろしかったら、お花見でお茶席出していただけたらと思うのですけど・・・」
「ええっ! はーい喜んで!」
こういう楽しそうな話しには超尻軽。
そう、茶飲み連はちょっとずつお道具を増やし鍛えられ、
水さえあればどこででもお茶会を開けるスキルをも
身につけていたのであります。
今までは気の置けない仲間うちでのお茶会ばかりだったけど、
今回は、しらないお客様に楽しんでもらうのであります。
うわー、わくわくする!
おいしいお茶を入れて、その香りをかいだ瞬間の
「!!・・わぁ・・・」
あの表情、たまりません。しめしめ!!です。
しかし同時に悩みも深い。
お茶好きの程度によって、どこが「ツボ」なのか
探らなくてはいけないから。
茶飲み馬鹿一代の皆さんは、本当にお茶が好きで詳しいから、
茶葉の品種や育った環境、焙煎の程度や果ては肥料のことまで
興味の先は果てしなくマニアックだ。
しかし、中国茶に興味はあるけれど、よく知らない人に
どうやったら興味の先鞭を付けられるか、
へえ〜、もっと知りたい、もっと飲んでみたい、
お茶を買ってみようか、自分で入れてみようか
そういうところまでどうやったら連れて行けるだろうか
そんなことを考えている。
お茶2種類、それぞれせいぜい3煎くらいの短い時間で
押しつけがましくても、難しすぎてもいけないし、
説明不足でも消化不良だ。
楽しみの本質を、知らない人に伝えるという作業は
簡単なようでいて実に難しい。
なーんて言いながら、「どう?(しめしめ)」と
茶を飲む人々を眺めて、実は自分が一番楽しいのかもしれない。
お時間あれば、ぜひ覗いてみてください。
●ANTIQUE らく・たいむ
広島市中区白島九軒町15-4
4月1日(土)午後2時〜 中国茶のお茶席
4月8日(土)午後2時〜 お煎茶のお茶席 です
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