自宅仕事はじめ
さて、会社を辞めたわたしは、出社すべきところがない。
ということは、自宅で仕事をするわけである。
週明け月曜、さっそく自宅勤務が始まる。
しかし、オットは仕事休み、息子も保育園お休み、みんなおうち。
実質家族団らん状態であった。
いやしかし今日中にどうにかしなくてはいけない企画書がある。
調べものの仕上げをして、もうちょっとなんとかしたい。
息子がいてはわきわきと仕事にならない。
オットは「ちょっと買い物に行ってくるね」
と息子を連れて近所の日用雑貨店に出かけた。
ありがとうオット。
お昼頃帰宅。みんなでご飯。しかしまだできていない。
今度は、
「ちょっと公園に行ってくるね」
と息子をつれて近所の公園に出かけて行った。
すまないオットよ。
暦の上では春とはいえ、まだまだ寒風ふきすさぶ公園である。
走り回る息子はよしとしても、
曇天の公園に佇むオットの心境はいかに。
毎週月曜日は、わたしが出かけなくては。課題だ。
火曜日。
ここは安息くつろぎの自宅。
仕事場ではない。
ちょっとでも仕事場にすべく、片付けはじめる。
どこか一部屋、仕事部屋と割り切れる場所があればいいのだが、
あいにく狭いマンションのどの部屋もがだらだら空間である。
リビングの、ダイニングテーブルを仕事机に兼用させるべく
その周囲を徹底的に片付けはじめた。
やりはじめると歯止めがきかない。
最後の掃除機をかけ終えたころ、保育園お迎えの時刻となる。
水曜日。
朝、保育園に息子を送り、帰宅する。
ほんのり朝の支度のかおりが残っているリビング、
まずは掃除機をかける。
パン屑をひろう程度にしとけよ、と言い聞かせる。
そして、湯をわかし、コーヒーを入れる。
コーヒーの香りが生活のにおいを消し、
ひとりの空間ができる。
パソコンに向かうと、案外集中はできる。
ふと気がついてベランダに出て、枯れたビオラの花殻をむしる。
その足で洗濯機をまわし、本を片付ける。
気がついたら、台所でごぼうをささがきにしていた。
いかんいかんいかーん!
ぜんぜん仕事にならーん!
元来切り替えが苦手でダラダラしたがるわたしに
自宅勤務は至難の業である。
気持ちを切り替えるために書類を持って確定申告へ。
クレドホールにて人生初めての確定申告。
入れ替わり立ち替わり税務署の方々が教えてくださって、
無事終了。
リッパな還付申告となった。
・・・これはしょげる。
来年は「くっそ〜こんなに税金むしりやがって!」と憤るくらいの
収入があるのだろうか。
家でひなたぼっこしてたら、絶対無理である。
木曜日。
朝、Jさんの事務所に伺う。名刺のデザインをお願いするためだ。
たかが名刺ではあるが、唯一の営業ツールでもあるので、
その印象はただしくわたしがよしとするものを伝えたい。
なーんてごにょごにょ考えていて、活版印刷で刷れないかとか、
エンボスはできないかとか、さんざんメールでJさんに相談して、
活版印刷は広島にはもうないよとか、
エンボスの名刺の失敗見本例を持ってるよとか、
いろいろと教えていただいていたのであった。
そのやり取りも楽しく、どんなにしようかなーなどと考えるのも楽しいが、
アンタはやくそれもって挨拶にまわりなさいよと良心が訴えるので、
そろそろちゃんとお願いしようと思って行ったのだった。
しかし、書体というものは奥が深い。
素人のわたしがこんなのがいい、と気軽に言うそれは
一見そっけないが実に計算され尽くされた書体だったりした。
そういうものの持つ雰囲気について、枝葉をのびのびと伸ばして話し、Jさんの頭の中の膨大な資料庫の引き出しからいろんなものが出てくるのを見るのはとても楽しい。
お昼に、ひとみさんお手製のアンチョビとブロッコリーとお豆のパスタをご馳走になった。
車でJさんを送り、帰宅。
そしてこれを書いていたりする。
重い腰を上げて動かんにゃあ!
わたしの踵はなかなか減らない。
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コメント
はなみさんへ。伊藤家(嫁)です。自宅仕事って、そうですよね。気持ちの切り替えが大変ですよねえ・・・。うちは旦那が行政書士で、やっぱり自宅で仕事してるんですよ。で、私も自宅で仕事をするとなると、大の大人が夫婦揃って昼間っからずっと家に居る・・・。「あそこのお宅、何してるのかしら」なんてご近所さんに言われそうですわ。生まれてくる子が、赤ん坊の頃から「ひきこもり」になったらどうしよう、なんて、ビクビクしたりして。頭を悩ませています。ふう。
あ、ちょっと前の日記ではなみさんが紹介してくださった「生活費と充実感を保証する仕事をもち、かつ、信頼できる小さな共同体を持っている人」て言葉、すごく心に染みいりました。いい言葉を紹介してくださり、ありがとうございましたー。
投稿: 伊藤家(嫁) | 2006年3月14日 (火) 午前 11時03分
嫁さまこんにちは〜。
ダンナ様ご自宅お仕事なんですねー。
二人ともがご自宅で仕事となると、ご飯も自宅だし、
最も経済効率がよいのかも。
息子ちゃんは生まれたときからパパママとずっと一緒って、逆にものすごく幸せだと思います。ぎゅーっと、家族っていう新しい単位になる感じですねー。ああ、ひきこもり万歳(ウチもみなひきこもり系)。
そそ、あの言葉、へんに説教臭くなく説得力のある言葉ですよね。私も、いいなーと繰り返し思っています。
投稿: はなみ | 2006年3月14日 (火) 午後 04時05分