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2006年4月20日 (木)

きもの患い

また発症した。きもの患い。それも重症である。

きものを着はじめたのはお茶を始めた頃で、
4ヶ月間無料着付け教室にて着かたを習い、着られるようになったところで最初の病が発病した。
きものが欲しい!
母のたんすからもらったものが何枚かあって、
若い頃仕立てたいいものなのよ、というものも
いろいろもらったし着たのだけど・・・
ちょっと裄が短いのと、やっぱり趣味が違うのが大きいのか、
違う、なにかが違う、
それからヤフオクに手を出し、血眼で競り落とし、
届いて広げて似合わず愕然、なんて馬鹿なことを
繰り返し繰り返し。
東京に遊びにいって、古着屋で身代つぶすほど
どっさり買ったりもした。
しかし、まだ満足できない。
それは、目が肥えていなこともあって
いい買い物ができなかったこともあるが、
自分はなにが着たいのか、それすら
分からずにぐるぐるしていたことが大きい。

どんなきものが着たいんだろう。
「きものサロン」的な、上流な華やかさは憧れるけどちょっと違う、
「KIMONO姫」的なガーリーな世界はかわいいとは思うけどこのトシではやり過ぎである。

別冊太陽の「昔きもの私の着こなし」の中でそれは見つけた。
金糸で経縞を織り出した焦げ茶地の紬織に八掛は芥子色無地、
帯は赤い生命の樹が描かれた古渡印度更紗の名古屋帯、
同じきものに中国の官服地の五爪の玉取龍が表された青い帯。

しびれたー。かっこいいー。素敵ー。
更紗の帯、いいなあ。
しかし、アンティークの更紗なんて¥¥¥・・・
仕方なくジャワ更紗もどきの布団地のような帯をアンティークで購入。
いくら陰干ししてもタンスのにおいがとれないので、頭にきて洗濯。
アイロンかけたらしゃきっとなりました。
帯洗うなんてド素人の無茶苦茶であります。

「和楽」という雑誌に連載されていたものが
本になっていた。森田空美(あけみ)の知的きもの入門

今まで呉服屋さんなどで、伝統工芸品が持つ一面の
古さ、今の洋服の感覚から大きくずれた野暮臭さなどを感じていたけど、
この方のコーディネートはすっきりモダンで、街に違和感のないきもの姿となる。
すてき。でも、

●森田空美シンプルモダンきもの
結城紬 税込1,659,000円、袋帯 税込661,500円
帯〆 税込13,650円、帯揚 税込18,900円
(そごう心斎橋店での一例)

いいものはいい。それだけの価値があることもわかる。
でも、着るものにそれだけのお金をかけることは
庶民のわたしには夢のまた夢である。はーーーーー

なんとか、そんな「いいなあ」に近づこうと
似たようなものを探し、お小遣いで誤摩化して買えるくらいのものを
血迷って買ったり、ちっ、値段は正直だぜと悟ったり、
そんな小銭をあわせればけっこう立派なものが買えただろうに
まさに「安物買いの銭失い」の王道を邁進中である。

今欲しいのは襦袢と帯締め。
夏にかけてきりっと硬く細い帯締めが欲しい。
道明の。

あああああああああ
気がつけばきものに関するサイトをめぐり
あーでもないこうでもないと思いは尽きない。

最初に発病したときには妊娠が発覚し、
ほどなくお腹がでっかくなって着られなくなり、快癒。
しかしこの度はどうも治まりそうにない。
こうなったら「これが着たかったんだ」という
納得の一揃えができあがるまで、いってみますか。
・・・働かなくては。

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