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2006年5月28日 (日)

きもの展示会

お茶のお師匠ご贔屓の呉服屋さんにお供させていただいた。

やはり上得意様の同伴者、心なしか扱いが丁寧である。
人のふんどしで相撲状態である。

そこにはいろんなきものや帯が百花繚乱、
どっから見たらよいやら、ひゅーひゅー言いながら見る。

以前一度お供したのであつかましくなっており、
「どっから広げてみたっていいそうだよ」
などと同伴の彼女にささやきつつ反物を手に。

これだけの種類のきもの、実際に手にとって触れる
そんな機会もあまりないことなので、
ここぞとばかりに広げまくる。

とはいえ、ちら見する値札はすべてン十万なので
肩に力の入った素人ふたり、並んでちんまり見ている。

お師匠はいつのまにか風のようにいなくなり、
番頭さんとともに店内を駆け巡っておられた。
一体なんの獲物をゲットされたのであろうか。

ふたりが長時間座り込んだのが博多織の帯の前。
博多織というと、あの独鈷模様の献上柄しか
浮かばなかったが、他にもいろんな技法の織があり、
しかしやはり博多らしく絹鳴りする締め心地は
さすが、なんだそうだ。

帯もいろいろあるが、締めやすさ、これ大事である。
素人はついその色柄にばっかり目がいくのだけど
実際締めてみるとずるずると決まらないものもあって、
着るだけでいらん汗をかき、着崩れにひやひやする。

触ってみると、きゅきゅっと締まった独特の感触で
これはかっちり締めやすいだろうなあ。

いつのまにか戻ってきたお師匠が
「ねえ、気に入ったのがあったら着てみない?」
ひーめっそうもないという彼女もお師匠に押されて
どれを着るか選択。

ふと横を見ると、泥大島を選り分けているお店の方々。
「お嬢ちゃん、泥もっていかん?一生もんよー」
年配の作務衣姿の男性にそう声をかけられる。
なんでも超感謝価格として10万円也、にするんだとか。
そのマルキという絣の小ささ模様の難しさなど
値段に反映する要素は様々だけど、
たいがい泥大島、38万、48万、という値段。
それは超特価ですねー、
と、一つの反物に目が止まる。
「これもですか?」
「あっ、それは地味な。似合わん。やめとき〜」
そばの女性がニコニコしつつ
「着てみられます?」
どうやらそれは特価予定ではないものだったらしい。
「似合わないなんて、とっさに言ったのよ。
 お似合いですよ」

ということで調子に乗って着つけてもらいました。
縫ってない反物をうまーく畳んで巻いて、
まるで本当に着ているかのよう。
しかしこれが案外重要で、
一枚の布で見るのと体に添ったのを見るのでは
ぜんぜん印象が違うのでありました。

Kimono

左がわたし、その泥大島に博多の帯。
右の彼女は万筋の小紋に博多帯。
たのしー。

わたしはともかく、べっぴんの彼女のはんなりした
雰囲気によく合っていて、ほんとうに似合った。

こうなると誰か買わないかなーと思うのである。

確かに出会いだし、超特価だし、似合ってるし、
買うしかないでしょう!とお互いに言い合う。

きものに詳しいお師匠も、悪い買い物じゃないから
お店の回し者のように「あらいいわね〜〜〜〜」
と薦める。
さらには上得意特権でもって
「ねえ、もっとお勉強していただける?」
「はあ、さいでしたら・・・パチパチ・・・
 これでご勘弁を」
さらに数万下がったりして。

ほんとにね、帯その場でローン組もうかと思いました。
しかし待たれよ、ものには順序がある。
この帯に合わせたいきものをお持ちか?
NO!
この大島も一緒に買えるか?
NO!
ほんなら買うべきは「本当に気に入って仕立てたきもの」
であろう。
ま、たまごも鶏もおらんのでなにが先、ということも
ないのだが、ここは我慢である。

さんざん「似合うよ買いなよ〜」「はなみさんこそ〜」
などと言うだけいって遊ばせていただいたのであった。

帰宅してケータイで撮影したきもの写真を見つつ、
きものの本や雑誌を広げつつ、ぐるぐる。
ため息。
ほんとに欲しいきものかあ。
実際、江戸小紋も見たけれど、うーんまだ迷いがある。
大島のようにしゃきっとぴかぴか光る紬もやっぱり好きだ。
無地の結城紬も大特価だったけどなあ・・・

今から夏中考えて、秋にどーんと一着・・・

たぶん、買わないとこのぐるぐる熱は収まらんと思う。

・・・働かねば
(毎回結論はこれかよ)

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