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2006年8月 3日 (木)

海老晩餐

仕事で打ち合わせをした知人が忘れ物をしたので
届けることにした。
訪れたマンションの一室。
ピンポ〜ン、と鳴らすと
血相をかえた知人が出てきて
腕を掴んで中に引きずり込まれた。


「どうして来たの!?」
どうしてって・・・忘れ物を届けに・・・

薄暗い室内、キャンドルの明かり
そこには立ち見が出るほどの大人数がいて
白いテーブルクロスがかかった
3つの大きなテーブルをぐるっと囲んでいる。

「ここで見たこと、絶対他でしゃべっちゃいけないよ
しょうがない、もうここで見てて」

そこでは、3人のシェフによる
究極の料理バトルが繰り広げられていたのだった。

それは秘密裏に行われる「グラン・メゾン・なんとか」
という会らしく、ルールも厳密に定められている。
3人とも同じコースメニューを作るが、
材料は各自が調達する。予算の制限はない。


テーブルを覗き込むと、
前菜の皿が下げられたところだった。
来場者はドレスアップし、
興奮気味に話しをしている。

次々と色鮮やかなお皿が運ばれて来る。
それぞれのシェフが説明するのを聞きつつ
着席した人々はナイフとフォークを運ぶ。

恍惚の表情で美味しさを語り合う人々。
普通の食事ならば無作法とされるほどの
会話の声に驚きつつ
会場全体が徐々に熱を帯びて
トランス状態になっていくのがわかる。

ふと目の前の人が椅子から立ち上がり
わたしをぐいと掴んで座らせた。

口直しのアミューズ。

納豆と紫蘇をたたいたものを
カクテルグラスに盛りつけてある。

外国人シェフだと、こういうのが新鮮なのだろうか
などと思いながら口にする。

次の料理が運ばれてきた。
オマール海老のサラダだ。

ぷりっぷりの海老に黄色いソースがかかり
レタスのプリーツが美しい。

目の前に皿が置かれた。ナイフを手にして














「朝だよ、おきて」




夢であった。




「海老、えび・・・たべそこねた・・・」

「なに寝ぼけてんの、もう8時だよ」



シャーッとカーテンをあけるオットを
これほどうらめしく思ったことはない。


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