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2007年6月29日 (金)

スイッチ

ま、ほんとにね。
思い通りに行かないことってやっぱりあって。
それにしても程度問題、
実はハラワタ煮えくり返ったり、
今思い出しても○○してやろうかと思うほど
なんだけれども、


ぱちん


とスイッチを切ると、
もう

気にならな〜い。


それにしてもね、
日本語でしゃべってんのに
通じない、
ってのも
言葉を失う。

ディスコミュニケーション。

目の前の人との間に見えない壁が。

あのー、生きてますかー?
息、してますかー?
あれ、こっちが水の中にいるのか?
ぱくぱく
空気がない。
でも


ぱちん

とスイッチを切ると、
もう

窒息しな〜い。


この技はどうやって身につけたかと言うと、
大人になったわけでもなく、
あきらめたわけでもなく、

もっと、集中力を注ぐべきものが
ほかにちゃんとあるとわかったからだ。

きちんと話し、きちんと思いを伝え、
信頼し、期待し、尊敬し、
よりよい状況、もっといいアイデア、
笑顔と前向きな冒険心で弾んでいく
勢いのある人々、

そんな仕事が存在するとわかってから
もう、へいき。
話しが通じない人への憎悪で真っ黒になるのは
もうやめた。
ま、真っ黒な仕事もちゃんと完結させます。
仕事だから。

でも、いつケンカしてやめたっていーやー、
と思ってると、
あははー、楽しいぞー、ざまーみろーー。

これが自由業の開き直り力であります。わはは。

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2007年6月23日 (土)

初夏のベランダー

この花、なんだかわかります?

Ninbana


正解は、

Ninnjinn


にんじん。
使いそびれてしおしおになってたのを、ぶさっと鉢にさしといたら、にょきにょき育って花が咲いた。
大根とかのアブラナ系とは全然違う。初めて見た。


Abokado


はいこれアボガド。
種からにょきにょき、絶好調です。
南国の葉っぱはこの辺の虫の口に合わないのか、
あんまり食われる被害もありません。

Aobana


プランターにこんな花が咲いてた。

随分前、ふじこさんのお店のトイレに、adebanaさんのお花の教室(だったかな?)のお知らせのカードが置いてあって、それに種がくっついてた。なので、いただいて帰って、プランターに蒔いてみた。(adebanaさま余計な人間がとってかえっちゃってすいません)
なんでも、高速道路の側面の保全に使われるミックス種、とかで、一体どんな花が生えてくるのか楽しみだった。
ちっこい芽がばばばば、っと芽吹き、めきめき育ち、
ぱっと見プランターはただの野原だ。
でも、こういう宝石みたいな花が、咲いたりするのね。


Cha


新入り。茶の木。
なんでも「国内種使用」「烏龍茶の木」「静岡産・無農薬」。
「摘んだ新芽を手もみで美味しいお茶をお楽しみください」と書いてあったが、摘んだらたちまちなくなってしまう。


Hotei


ホテイ草。
とうかさんでちょびがきんぎょをすくい、
ゴーカイに水につっこんで破り、
その様子が気に入ったおばちゃんに5匹ももらった。
元気に泳いでたので、環境をよくしてやろうと
ホテイ草を買ってきて浮かべたら、
ばたばたと逝ってしまった。なぜ。
静か過ぎる水面。

Neji1_1


ねじばなが咲いた!
花がボケてるな。

春先、友だちが「これ、あげるわ」とくれた鉢には、
まだちょろりんと葉っぱがのぞくだけだった。
葉っぱは立派になったけど、一向に花が咲かないな
と思ってたら、
つい先日からにょきにょきにょきにょきと花芽がのびて
ぱぱぱぱぱ、と花が咲いた。

そういえば、ねじ花の花束を買ったのも、
7月だった。たしか誕生日近かったはず。
去年の日記参照。


Neji2_1


うれしいので、いつも眺められるテーブルにお越しいただいた。


Neji3_1


何度見ても不思議。
かわいい。
大好き。

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2007年6月15日 (金)

岩手の小久慈焼

用があって三越に行った。
ついでにぶらぶら6階あたりを見てみると、
なにやら焼き物が並べてある。

ふむふむ、と見ると、
「ここだよ・・・」と呼ぶ声が。
そこには、この人たちがおりました。

Kokuji


この、「しのぎ」というのが、好きなんです。
いつか欲しいなあと思っていて買いそびれてて。
これ、お茶碗ですが、たっぷりスープとか、カフェオレとか
あったかいものがいいな。

この茶碗を作った方がいらっしゃって、ちょっとお話をした。
まだお若い方でした。
「この削る道具は、ゼンマイ時計をバラして、ゼンマイ部分のバネを使ってるんです。握り込む強さで、削る幅が決まるんです。なんだって道具にしちゃうんですよ」。

ほかにも、のびのびした優しそうな普段使いの器がいっぱいありました。
すり鉢も、摺目のところにゆう薬がかけてある。珍しいそうです。


●広島三越6階
 「津軽・南部 匠の技展」6/18(月)まで

小久慈焼

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2007年6月 9日 (土)

このごろのちょび

●ちょび単位

ちかごろちょびは「すうじ」、に興味がある。
パパちゃんが真剣に体重計に乗っていると、
横から盗み見たちょびが報告しにくる。
「あのね、ごひゃくにーてんろっきろ」。
うちのオットは怪獣か。

「いまなんじ〜?」
「うーんとねー・・・」
「じゅうにぃーてん、ろくじ〜?」
なぜ小数点以下があるのだ。

「あのねー、このくちゅ、ごひゃくまんえんよ」。
ドロドロのスニーカーにプレミアがついた。

とりあえず、まあ、いちからじゅうまで
ちゃんと数えられるようになる、が当面の目標。


●うちは貧乏

新幹線やら電車やらバスやらトラックが相変わらず好きだ。
路面電車の「グリーンムーバーMAX」なんかが走っているともう大興奮で
「あ!あれ買って!!」と指差し絶叫する。
そのたんびに「じーちゃんにお願いしなさいね」とテキトーにいなしていた。
先日、ばーちゃんととうかさんに行った時のこと。
またもやMAXが目の前を通過。
「あ!あれ買って!!」
「おとうさんに買ってもらいなさい」
「・・・あのねー、パパちゃんお金ないんよ〜・・・」
信号待ちの通行人もつい吹き出している。
「あ、じいちゃんならお金あるよねぇ。じいちゃんにお願いしよ。うん、しょうだしょうだ」
一車両なんぼするんでしょうか。
じいちゃん「おう買っちゃる!なんなら広電ごとこうちゃる!」言い出しかねん・・・


●ちょびの歌

ねぇ歌って、というとモジモジして急に無口になるが、
ほっとくとずーっと独りでしゃべったり歌ったりしてる。
「ある〜ひっ、もりのなっかっ♪」とか
「ぶんぶんぶんっ、はちがとぶぅ〜♪」とか
いつのまにか保育園で習ってきたんだろう、上機嫌で歌う。
たまに替え歌もする。
「げーんこちゅやまのーたぬきさん〜
 おっぱいもんで〜ねんねして〜げへへ」と歌いながら
かーちゃんのおっぱいをもみもみする。
ただのセクハラ小僧だ。

オリジナルナンバーもある。
「あしゃ〜、おきたら〜、おしりがぁ〜、かゆい〜」
かゆかったのか。
「こけこっこ〜、あっしゃのじかん、もうおきてぇ〜、よるのじかん」
朝なんか夜なんか。
泣けたのがこれ。新幹線を走らせながら
「おまえはぁ〜カニがぁ〜すきだろぅ〜〜、おまえはぁ〜カニがぁ〜すきなんだろぅ〜」
鳥羽一郎かおまえは。
まだまだ名曲が続々登場しそうな予感。


●ちょびの絵

先日の母の日、とあるスーパー主催「母の絵コンテスト」なるものがあって、ちょびも知らず知らず参加した模様。スーパーにずらっと貼り出されたそうだ。
後日その絵を持って帰ってきた。

そのスーパーに先日ふらっと行くと、今度は父の日の「父の絵コンテスト」応募作品をパネルに貼り出している最中だった。
いろんな幼稚園、保育園、小学校からいっぱい応募があった様子。
ちょびのあるかねー、と眺めていたが、まだ貼られてなかった。
子どもの絵は微笑ましい。無邪気にパパの絵をのびのびかいてる。
と、なんと「金賞」「銀賞」、受賞作品が貼り出されていた。
そうかー、やっぱ賞とかあるんだー。
受賞作は、大人が好きそうな子どもの絵だった。
こう、むちゃくちゃな色使いとか、自由奔放、とかさ。
画面からはみださんばかりの勢いとか。分かり易いなー。

しかし、ちょっとやーな感じ。
こっから先、こういうコンテストに何度も遭遇するんだなちょびは。
運動会で優劣をつけないために手をつないでゴール!とかいうのにはアホか!と思う。
堂々と競争して勝つ子はすごい。負けたって他で頑張ればいい。
で・も
こういう、コンテストって、一体どういう基準で選ぶんだ?
だれがこれをいいと判断して「金賞」にしたんだ?
スーパーの店長?職員の人たち?どっかのエライ人?
納得がいかない。

もちろん、息子の絵が金賞とれるとは思わない。
先日持ち帰った「母の絵」は斬新であった。
特徴をよくとらえたもしゃもしゃ髪がぐるりととりまき、
目がふたつ、で、口が上下にそれぞれあるのである。
なんじゃこりゃ!?
・・・「さかさにしても、おかお」なんだそうだ。
よくだまし絵とかで、逆さにしたらだるまの顔、とかあるじゃん、
そんな感じだ。
天才だろうか。
死んでも受賞しそうにない絵ではある。
果たして「父の絵」は一体どんなになっているんでしょうか。

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2007年6月 7日 (木)

何様芸術様

とある美術館に取材依頼をし、断られた。
「公の媒体以外、私企業の出すものには掲載をお断りしております」とのこと、説得しようもない理由だったので「そうですか、ではまた何かありましたら・・・」(何があるのだ!?)と電話を切った。
別に失礼な感じでもなかったし、担当者の方は残念ですが、というニュアンスを伝えてくれたし、財団法人の性質も考えると仕方ないことなんだがちょっと「む」と思ったのもホント。

ロケハンで近くに寄ったので、これはナンボのものか見てやらねば、と行ってみた。
チケットは離れたところで買う。作品や建築に手を触れないでください撮影はご遠慮くださいカメラはここで預かります、と厳しくも機械的に説明される。

美しい花々が咲き乱れる庭園は手入れが行き届き、沼地から今にも美輪明宏がごぼごぼとせり上がってきそうな神秘さに包まれている。チケットをもいでもらって入場。
冷たいコンクリートの階段を延々のぼり、たぶんこのまま天国に昇るんだと思いながら進む。

静かだ。鳥も鳴かない。

かつ、かつ、と鳴る自分の靴音にも恐縮しながら進むと、有名ブランドのデザイナーがデザインした白装束に身を包んだスタッフが静かに進み出て、
「こちらで靴をお脱ぎください」という。
促されるまま靴を脱ぎ、進む。

そして、自分の視覚の曖昧さを確認する体験を味わう。
これは・・・・すごい。おもしろい。

案内してくれたスタッフにいろいろ話しかける。
しずかに笑みを浮かべそつなく応えるが目が笑っていない。
スタッフが異様に多い。静かに見張られている。
みな若く、賢そうで、上品だ。現代美術が好きなんだろう。勉強もよくしているんだろう。

順路もよくわからず、かつかつと進む。
しかし、建築家が描いた図面を、こうしてちゃんとコンクリ流してかたちにした現場の人はえらい。どーなってんだと思いながら進む。壁に手を触れてはいけない。


次の部屋は、真っ白だった。
そこに浮かぶように絵が。
足下を見て驚愕。(これはネタバレに匹敵するので言わない)
白装束のスタッフが、鑑賞に邪魔にならない絶妙な間隔で静かについてくる。

ああ、祈りの場だここは。
さっきから天国だとか思ってたけど、やっぱそうだわ。
この光景、
えーと
「AKIRA」だ。
ミヤコ様が、もうすぐ現れる。

もう一つの部屋も、写真で見たってわからない空間だ。
これは、この目で見て初めて意味があるものだ。
「こちらでは声が反響いたしますので、お静かにご覧ください」
鳥の声すらしない。

「たぶん、ここが地獄なんですよ」
同行したスタッフが指差す。
出口の植栽だ。吹き抜けの空間の底に木賊がびっしりと植えてある。
作品に触ったりなんかしたら、ここに落っこちてきて
血まみれになるんじゃないすか、と。


確かに素晴らしい体験だった。
有り難かった。
これは百聞より一見をすすめる。
私企業の、広報誌になんか
載せていただいては困ります。
無垢な、イメージに色がついてはいけません。
だってここは巨大な金の聖堂です。
神聖な、祈りの場なんですから。


感じ方は自由。
嫌なら来なければいいし、好きなら年間パスもある。

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2007年6月 6日 (水)

ワンデイ湯治・柚木慈生温泉

我が家は温泉好きである。
オットとどこか泊まりに行くといえば必ず温泉がついてまわる。
息子が生まれてしばらく遠のいていたが、
2さいころから復活した。
一泊二泊はなかなかできないので、日帰り温泉に目覚める。

車でちょろっと行って、近辺の野山で思い切り遊んで、ゆっくり温泉につかってすっぴんで帰宅、晩ご飯食べてあとは寝るだけ、というのが非常に心地よい。

そんな「ワンデイ湯治」だが、いつものなじみの温泉ばかりじゃ飽きてくる。オットの温泉選択眼も肥えてきて、「源泉掛け流し」狙いになってきた。
そして、「秘湯」でなくては満足できないカラダになってゆくのであった。

さて今回出かけたのは山口県徳地にある「柚木慈生温泉」。中国自動車道・鹿野からちょっと上がってったところに位置する。
行きは元気なのでなるべく高速を使わないのがポリシー。
ということで2号線をちんたら西へ向かう。
途中昼時、久しぶりに「山賊」に寄って見る。
「山賊」といえば若かりし頃ドライブデートのメッカであった。が、当時つきあっていたのはみな車持たずの貧乏人で縁がなく、今回訪れたのは高校の時親と来て以来だ。
天気がよくて、屋外の緋毛氈のテーブル席で食べる。
息子はうどんをちゅるちゅる啜り、オットとかーちゃんはでっかいムスビにかぶりつく。木漏れ日が気持ちがいい。外で食べると美味しいねえ。
さて帰ろうとしてやはりそこにも罠があった。
「これいる〜〜〜〜これ買って〜〜〜〜」
でた!
最初ダメです!と強硬姿勢にでていたが、かーちゃんソフトクリーム買いにいってる間にパパちゃんが懐柔されていた。「これがいいんだって」・・・だめじゃん。
「おかーさん負けはったね」とレジのおばちゃんがにやり。息子は「かーーーちゃんありがとう!!」満面の笑み。「ダイキャスト激走チームDX」800エン也。日に焼けて色褪せた箱が「やっと買ってもらえた」とほっとしている。

そこからが長い。
2号線は案外混んでいるし、徳山から315号線を一路北へ向かうが行けども行けども山道だ。
「秘湯〜〜〜〜〜」と盛り上がってはみたもののオット睡魔に勝てず運転交代。かーちゃんも眠いが温泉温泉とつぶやきつつひた走る。
みな寡黙になってきたころ
「・・・あれか??・・・」
ついた・・・

Onsen1

P.M.4:00
商店閉まってるし。

Onsen3


入り口ただの民家だし。

それでもけっこう地元の車がたくさん駐車している。

Onsen2


大人2人と3歳児で1,200エン。

「それじゃあとでねー、ゆっくりねー」
パパちゃんとちょびは男湯へ。

Onsen4

それにしてもこう、昭和感ありあり、
トイレもちゃんと「便所」のにおいがする。
脱衣所はそっけない板張り、ロッカーは無料。

Onsen5


ぱぱっと脱いでがらり、と開けると
狭い湯船のふちにぐるり7人くらいのおばちゃんが腰掛けておしゃべりしていた。多いな〜。
見回すと溶けたせっけんしかない。
も一度ロッカーに戻ってシャンプーをとって、
側で服を着ていた湯上がりのおばちゃんに
「あのー、ここ髪洗ってもいいんですか」と聞く。
「ああ、いいよ、みんな洗いようよ」
ほっとして再入場。シャワーが1ケ所しかない。
そこで蛇口をひねるが、延々水しか出ない。
仕方なく水で髪を洗う。仕舞い頃ちょっと温かくなる。

地元のおばちゃんたちはみな顔見知りのようで、
話しに花が咲きまくる。
「キャベツがよーけできてからにねー」
「ちそでジュース作ったらええんよ、色がきれいだけー」
農作物の話し、病院の話し、ご近所の人の消息。
「そんじゃおさきに」と何人か上がってゆく。

さて、いよいよお仲間に・・・
端っこから3そそーーーっとつかってみる。
さっき上がってきたおばちゃんが
「あっつーーーあつい!でも気持ちいい!」とさかんに言っていたのでどんだけ熱いのかと思いきや、案外ぬるい。
湯船はとろんと緑色。涌きだすお湯は無色透明なのだが、すぐに酸化して緑に濁る。とろみたっぷりのお湯は、なんだかいろんなエキスが溶け出してるような気がするが考えないようにする。

ここのお湯は成分がものすごく濃くて、濃すぎるので加水しているらしい。20年くらい前に工事現場でたまたま涌きだして、泉質しらべて仰天、だったらしい。なんでもリチウムイオンは温泉基準法の3倍、二酸化炭素は7倍だとか。そう、ここは「ラムネ温泉」。つかっていると体中が細かな気泡につつまれ、しょわしょわになるのである。こんな湯ははじめてだー。

ふと見上げると、土偶のようなおかあさんが2人。
話すでもなくじーっと目を閉じて湯船のふちに腰掛けてる。
「あのー・・・ここから源泉が出てるんですか?」
と話しかけると、「7:3で水もたしとるよ」と教えてくれた。はじめて?どこから?「広島です」まーそりゃ遠いところを。こないだ岡山からも来とられたよ。ここのお湯がいいって聞いてきたの?「はい」ちょっと自慢げなおかあさん。こんなお湯はこのあたりでも珍しいで、聞きつけて来られる人も多いのよー。と。

隣の男湯から「いーち、にぃーい、さぁーん、しぃーい」というオットとちょびの声が響いてくる。
ありゃ、かわいい、息子さん?何さい?まあ3つね、かわいいねえ。「はは、はい〜」みんな笑顔になる。

不思議な温まり方をするお湯だ。ぬるいのに、じわじわ身体の芯が熱を持つような。効く〜。
「冬でも寝る時まで足がぽかぽかよね」とのこと。

1時間ほど、しょわしょわー、しょわしょわーと上がったりつかったりして堪能する。土偶のおかあさんはよいしょとあがって、からだを洗いはじめた。何時間いるんだろう。ひょっとしてここの主か?ナマズかなんかのような神々しさすら感じる。
「それでは、お先に」
上がってもあとからあとから汗が出る。気持ちいい!!

待合所で水を飲んでると、パパちゃんとちょびもあがってきた。「はーーーー、すごかったねえーーー」

さ、帰りますかの車中で。
「もー大変だったんよー」とオット。
なにかと思えば、“もんもん”のある人に向かってちょびが
「あ、パパちゃんなんかかいてある〜〜〜」と指差したらしい。
あれなにー?なにがかいてあるのー?と指差すゆびを必死で押さえつけ、ごまかしごまかし洗っていると、その親分がかーーーっ!とタンを切る。すかさず「あ、いまげーっていったよ、パパちゃん今げーーっていったねえーーあのひとーー」
たのむからそっとしといて。お願い。
子分2人(みんなもんもんあり)を従えた親分は、何も言わずに上がって行ったらしい。
かーちゃん極楽気分のその頃、オットはお湯を楽しむどころか緊迫した時間にどっぷりつかっていたのだった。
「ぎゃはははは〜!!何の絵がかいてあったの」
「そんなん見れるわけないじゃん!視界の隅にちらっと入っただけで」「えー、一緒になにがかいてあるんかねー、って見たらよかったのに」などとかーちゃんは気楽だ。
「あれー、パパちゃん上がってこんねーって見に行ったら湯船に浮かんどったりしてー。あはは〜」

それにしても秘湯であった。
湯船は湯の花でぬるぬる、緑にさびさびである。20代の私だったらドン引きであったろうなあ。この渋さはわかるまいて。今だからこそわかる、「泉質」の意味が!
いやー、ほんと、いい湯でした。


●柚木慈生温泉
山口市徳地柚木2178
TEL:0835-58-0430


■おまけ■
とうかさんにて。「げきれんじゃー」のお面800エン也。ひー。
しかも黄色って女性キャラじゃ・・・


Photo_38

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2007年6月 1日 (金)

とんとんとん

何の音?
きょうのわたしの音。ああよかった。

帰宅して片付け掃除機をかけたらそこが事務所になる。
何か一つのことに集中してるようで、同時に2、3個のことを考えてる。
湯が沸く間にパソコンを立ち上げメールをチェックし、打ち合わせの電話をかけるタイミングを計る。
珈琲豆を挽きつつ洗濯機をまわし、資料を棚からテーブルに出す。
粉に湯を注ぎ4分。最初の1分目で浮かんだ粉の表面をこわして香りをかぐ。
メールに返信し布団を干してるうちにタイマーが鳴って珈琲が入る。
マグカップを持ってベランダに出て、植木に水をやりつつ珈琲を飲む。
残りの珈琲を啜りながら書きかけの原稿を立ち上げ読み返す。
打ち合わせの電話をかけ、送付する資料を手直ししてプリントアウトする。
飲み終えたカップを流しに戻すその足で洗濯機からひっぱりだしまたベランダで洗濯を干しつつ書いてる内容の行く先を考える。

書き始めると一心不乱、と言いたいがそうもいかない。
今晩なに食べようか、息子を迎えにいって買物をするとして、そうだ息子の靴がもうぼろぼろだ買わなくては、ところで今どんだけ現金が手元に残っていたっけ、領収書整理しなくちゃ、あ、請求書まだ出してなかった出さなくちゃ、いくらにするかまだ話してない、メールを出して、請求書をプリントアウトして、封筒の表書きを書いて、切手が無い、明日送るか、郵便局に行くならかわいい記念切手を買っておこう、そういえば振り込みしなくちゃいけないものがあったのでそれも、あ、カードの書き換えをしに銀行に行かなくては・・・・
と、手と頭が動く。

こうして書き出すとうるさいな。だけどずっと黙ってる。頭の中の声だ。
並列の2、3の案件を軽妙にスイッチングして片っ端から片付けてゆくのは快感だ。
と、同時になにかから駆け足で逃げていることにも気づいている。
気がつかないようにしている心の奥底で、どんどん水かさを増してゆくもの。

今日もいい一日だった。だいぶんいろいろ片付いた。

風呂につかり空っぽになった頭に、突然あふれだすように現れる感覚、
嫉妬と幻滅、か。落ちてゆくような感覚だ。
ではどうすればいいのか。
すごすぎて萎縮せず、とはいえただよかったですよーというのでもなく
感じたことを書こう、わたしが、自分で。
という基本に座り直し、紙に殴り書きして確認する。

満月が見える。
不毛な気もするが、生きている気もする。

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