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2008年5月 8日 (木)

5月になると彼女は

5月は毎年調子がわるい。
と、毎年書いてる気がする。

こんなに天気が続いて
布団を干して、洗濯物も干しきってうーんと伸びをして風に吹かれても、気持ちがいいのに調子がわるい。
今年はまだいやーな事件も事故もなく、軽く風邪はひいたけど副鼻腔炎にもならず喘息もひどくはなく、体調はいいんだけど調子がわるい。
たぶん、「5月は調子がわるい」という自己暗示のせいだ。
それに、トトロみたいにもっさーとすごい勢いで生える草の緑に、特にクスノキの蛍光グリーンの新芽にやられてる感じがする。きれいだと思うけど気持ちがその成長に追いつかない。なんの木か知らないが花が咲いて猛烈に嫌なにおいもする。そうかと思うと藤の花のように蜜のような甘い香りにくらくらしたりもする。

そんな5月なのに、素敵だと思える5月があった。
先日レコード屋でなんとなく買った「曽我部恵一バンド」のデビューアルバム「キラキラ!」の中の曲で、「5月になると彼女は」だ。
サニーディサービスもちょっとは聞いたことがあったけど、特別ファンというわけでもなかったが、このたびムーンライダーズの鈴木慶一氏のソロアルバムをプロデュースしたのが曽我部氏、ということでへーと思って「キラキラ!」を買ってみたのだった。

5月になると彼女は、うすい膜を破って出てくる。
青い空をゆっくり飛ぶ、白い大きな羽の蝶になる。
5月になると彼女は、ちくりと刺す小さなトゲつける。
結婚式がいやだから、ピンク色のかわいいバラになる。
5月になると彼女は、タンクトップ脱ぎ捨てていなくなる。
・ ・・
大好きだ。
このアルバムはどの曲もとにかくキラキラしてて短い。勢いがよくてあっというまに次の曲になる。
憂鬱な5月も、こう歌われると大丈夫な気がする。
わたしもなんか脱ぎ捨てていなくなろうかな。
ボリュームを上げて、車の窓をぜんっぶ開けて、風まみれになりながら
大声で歌う。

5月がすこし好きになる。

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