« ちょびったら | トップページ | ちょび5さい »

2009年1月29日 (木)

生きててよかった

お久しぶりです。気がつけばずいぶん更新してませんでしたね。元気にしていました。


正月休み、一泊で温泉につかってきました。出雲、玉造温泉。
何泊かできるんなら九州か四国に渡るが一泊ならせいぜい山陰だ。しかし雪も心配(うちの車はノーマルタイヤ)で直前までどうしようか悩んだが行くことに。国道 54号は使わず浜田道⇒国道9号というルートで行きました。雪の心配はなかったです。

長楽園という旅館に泊まりました。
ここには夢のような露天風呂が。その名も「庭園露天風呂・竜宮の湯」!


昔、おじいちゃんが「地獄と極楽」という絵本を買ってくれたことがあった。それは輪廻転生を描いたマンガで、行きてるうちにろくなことしないと地獄ではこんな責め苦が待っているぞという壮絶なマンガだった。子どもたちが功徳をつんだおかげで地獄をさまよっていた主人公は極楽に行くことができる。そこは天女が蓮の花びらをまき、いい香りがする夢のような世界。おなかがすいたと思ったらぼわわんと御馳走がでてくる。しかし箸が異様に長い。それは他の人とお互い食べさせ合うための箸だった。助け合うのが極楽。
さてその主人公、美しい池で水遊びをする。ああこれがお湯ならなあと思うと、みるみる水深が深くなりちょうどいい湯加減の温泉になるのだった。
いいなあ! 極楽いいなあ!!子ども心に極楽に憧れたものだ。

それが今!まさに目の前に広がっているではないか!まさにああ極楽。


Roten

なにせ120坪もあるそうですよ。見渡す限り温泉ですよ。しかも源泉掛け流し、加水加温なしですよ!おまけに混浴ですよ!!

ええっ混浴!?しかし大丈夫。女性用に「巻き布」が脱衣所に用意されているのだ。トロピカルな絵柄の長方形の布でぐるぐる巻いて入れば問題ない。むしろ男性の方が恥ずかしそうであった。
混浴のなにがよいかといえば、家族みんなで入れることである。ちょびも大喜び。


Rotencyobi


お子様が入ると常に肩までつかってる状態です。今ちょびは身長107cm。

夜もすごい。スポットライトの逆光にもうもうと立ち上る湯煙が輝き、未知との遭遇かここは。浅い湯に寝転がり、凍てつく星を眺めるなんてもう最高。

スタッフの方々の心配りもお食事も申し分なく、老舗の底力を見た思いでした。


一泊した翌日、出雲大社に初詣して、温泉津温泉、薬師湯に立ち寄って帰った。
ここもまた源泉掛け流し、熱くてぽかぽかになるいいお湯だ。

脱衣所には先客が。おばあちゃんが二人で話しながら入って行った。
あとから入り、身体を洗ってそーっとつかる。熱いのよ!源泉直近46度だから。
おばあちゃんたちの会話が耳に入る。
「おねえさんいくつになっちゃったん?」「92よね」
「まあ!92!元気なねぇ〜」
ほほー92歳!肌の色つやとてもよろしい、かわいいおばあちゃん。
手ぬぐいでごしごしきゅっきゅと洗って、湯口から手桶で湯をくんでザバーザバーとかける。熱いんだって!湯口の湯は。これが元気の秘訣なんだろうか。

たっぷりつかってあがると、先にあがっていたおばあちゃんが着替えていた。
ゆっくりゆっくり、靴下はいて、モンペをはいて、セーターを着て、手編みだろうか、毛糸のケープをして。
また別のおばあちゃんがやってきて「あらおねえさん、あけましておめでとうございます」と話しかける。
「おねえさんいくつになってん?」「92よね」
「んまー元気なねぇ、ええねぇ」「おかげさんで」
「○○(おそらく食事つきの、デイサービスのようなとこ)には行かんのん?」
「あたしゃあ自分でするのよ」
「まあ!ごはん自分で?」
「ことことつくるのが好きなのよ。自分の口にあうように」

ああ、自分の口にあうように。
そうか、そうだなと、しみじみ思ったのだった。

帰りの車の中でおばあちゃんのことをずっと考えていた。

Syasou

92歳、戦争中は20代後半だったことになる。お子さんも何人かいただろうか。温泉津のあたりの戦時中はどうだったんだろう。作物をつくり、おとうさんの網にかかった魚をさばいて子どもを育てたんだろうか。子どもたちが育ち盛りともなれば一度のご飯の支度も大変だったろう。じゃかじゃかと威勢良くといだコメをぴかぴかに炊き、もうもうとあがる湯気とともに大盛りにして、にぎやかな食卓だったに違いない。そのうち子どもたちは独立し、家はおとうさんと二人。ついついおかずをたくさんつくりすぎちゃって、という頃も過ぎ、もしかしたらおとうさんを見送って、今は独り住まいかもしれない。
それでもおばあちゃんは、ご飯の支度をする。
大根を炊いて、お漬け物を切って、ことこと、ことことじょうずに。
ひとりの口にあうように。
生きることは食べることなんだなあ。

生きていくこと。自分の口にあうように。毎日。

おばあちゃん、お元気で。いろんなことを教えてもらいました、ありがとう。

自分に必要な時にこうしていろんなことが語りかけて教えてくれる。
世の中は示唆にあふれている。耳を澄まして、目を開いていたい。

|

« ちょびったら | トップページ | ちょび5さい »

コメント

いいですね~
命の洗濯
私も黒川とか日帰りで行ってみようかな~
それより
広島にて焼肉大会!!!

投稿: mom | 2009年1月29日 (木) 午後 10時16分

momちゃん
そっか黒川日帰り射程距離圏内なんだ!
うらやましすぎる〜〜
あのへんはもうヨダレがでるくらいのいい湯バリエーションがあるから、毎週でも通いたいわー。

焼き肉大会、待ってます!!!

投稿: はなみ | 2009年2月 5日 (木) 午後 01時21分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 生きててよかった:

« ちょびったら | トップページ | ちょび5さい »