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2009年5月 7日 (木)

おこしやす納骨【5】

【京都2日目、怒濤のフィナーレ】

観光コース終了、やっと京都駅に到着、解散となったがなんと息子が下車直前に昏睡。起きろ〜〜〜〜!!

ひきずりおろし、駅ビル伊勢丹の入り口でベビーカーを借りる。
「基本的に12Kgまでのお子様が対象となっておりますので、なにかございましても自己責任と言うことで」あーもうなんでもいいから貸してくれ。でかすぎる幼児をどっかり載っけて、ベビーカーというよりネコ車のようだ。ひとまず上階の喫茶室へ逃げ込む。

京都のケーキ屋さんの喫茶コーナーなので、ケーキセットを注文。
ぱち。息子目覚める。なんだよ寝とけよもうちょっと!!
ちゃっかりかーちゃんのいちごパフェのいちごだけ食べてまたベビーカーに戻る。
じゃあこの勢いで錦市場まで行ってみますか、ということでベビーカーを返却、タクシーに乗り込む。
錦市場までお願いします。
「錦?錦のどのへん?」
えーと市場の入り口で。
「入り口ってどこもかしこも入り口よ。だいたいわしら錦市場なんか行かへん。錦のどこにつけたらええの」。
歩き続けて疲労もたまりにたまり、息子と母も体力限界。しかし新幹線の乗車時刻まであと3時間あまり。母もわたしも錦市場に行ったことがないわけでもなく、行きたいと熱望しているわけでもない。しかしなんとなく「京の台所」錦市場を歩いて見たということにしてやりたい。そりゃあ錦市場は観光市場で、地元のもんに言わせればうまいもんなんかないのかもしれない。もしこれが広島で、観光でくたくたになった新幹線乗車前の観光客に「お好み村まで」と言われたら、広島のもんはお好み村にはいかん、もっと美味いところがあるからと、へんぴな一軒屋に連れて行くのが果たして親切か?美味いお好みが食べたいのはもちろんだが、あのビル全部お好み焼き屋という他にない状況をこの目で見たいだけのことである。だから錦市場だってただきょろきょろ通り過ぎるのが楽しいのである。それが分かったらつべこべ言わずに市場のどっちかの端っこ直近まで行かんかい!!
と言いたいところだったがすでに気力も限界で、
もうどうでもいいからとにかくどっちかの端っこへ、それだけ言うと黙ってしまった。

京都のタクシーは運転が荒い。この滞在で何台かタクシーに乗ったけど、どれもなんだかラテンな運転で極端に車間距離が詰まってる。ひやひやするから前方は見ないで乗っていた。
ききーっ!!と止まったきり動かない。ぱか、とドアが開く。
「・・・ついたの?」つきましたのひと言もない。
メーターの料金を差し出すとぬっとおつりをよこしてくる。
ありがとうと言うのさえ嫌じゃ。
降りて、息子の手を引いて横切ろうとしたらそのタクシーに曵かれそうに。
充血気味の目で運転手にガンとばす。あやうくぼこぼこに蹴るところだったがそんな元気もなくてよかった。

さて夕方の市場は賑わってはいたけれどすでにお仕舞いモードであった。
それでも珍しい野菜や魚や、美味しそうなお惣菜などをひやかしながら歩くのは楽しい。
問題は息子である。
「ガチャガチャは?バトスピは?ある?どう?ねぇ、売ってる?」
あーよーくさがしてごらん、あるかもよー。息子もの凄い勢いで1軒ずつチェックして行く。「ない!ない!」あちょっとまってまって「だってそこには売ってないもん!」
ほらーおもしろい野菜じゃろー、あれ美味しそうなねなんて言っても聞く耳を持たない。
駆け抜けるように横目で見て錦市場は終わった。
「なかった・・・ガチャガチャも、バトスピも・・・」
疲労ピーク、息子泣きべそ
ええーい、そんなときは〜〜〜〜これだっ!
ほーらバトスピカードパックだーーー。もうこれで最後だーーー。
「やった〜〜〜〜〜!」

結局君は京都の何を見たのだ。京都じゃなくて近所のフジで十分じゃないか。
男子というのは5歳だろうが大人だろうが結局この程度なんだなと悟る。

駅に向かうタクシーの中で早速パックオープン、しかしどのカードもすでに持っていたり弱かったりでパッとしなかったようだ。ぐじぐじ文句を言っていたかと思うとまた寝た!!やめてーーー。もうほんとに起きてーーー。必死のこちょこちょ攻撃もむなしく本格的に寝てしまった。

駅に到着。
とにかく息子18キロをかつぎ、荷物を背負い、あとの荷物は母がかかえてタクシーを降り、這うようにして伊勢丹へ。入り口の椅子にへたりこんだ。
どっか喫茶店にでも入ろうかと言ったが、さっきのヘビーなケーキセットで満腹もうなにも飲みたくないと言う。動かすのがかわいそうじゃけぇこうしとこう、と。母は息子を横抱きにしてスカーフをかけ、とにかくちょっと寝かそうということになった。
のびのびのびた5歳児はでかい。ばーちゃんのうでにあり余るでかさだ。
もっとどこかゆっくり座れるところはないか見てくると偵察に行ったが、混み合ったカフェがあるくらいで、椅子のひとつもなかった。それより遠いところへはあれだけの荷物と息子を抱えては移動できない。
あきらめて戻る。息子は気絶したように寝ている。
疲れた・・・・黙って隣に座り込んだ。

しかし買いそびれたお土産があるということで、伊勢丹地下食品売り場に派遣される。
夕方ラッシュアワーの食品売り場は広い。砂漠のようだ。もうなにも目に映らない。
しかしいくつかお土産を買い、目覚めたときに食べさせるようにおにぎりを買って戻る。息子は寝汗をかいている。

そろそろ新幹線の乗車時刻になるから起こそうということになり、なにか目が覚めるようなおもちゃを買ってこいという指令がふたたびくだった。まじですかー。
幸いおもちゃ売り場が伊勢丹11階にあるぜ、カードパックのひとつかふたつ買えばいいだろうと思いきや、そんなカードは取り扱ってないという。げげーん。なにかやつの目がぱちーっと覚めるようなもの・・・とうろうろ探す。のきなみ3千円とか5千円とかのおもちゃばかりだ。目覚ましにそんなのアホらしい。あー足が痛い。ぐるぐる回って結局「シンケンジャーすごろく」(1500エン)というのをゲット。切ったり組み立てたり恐ろしく手間がかかりそうだが考えないようにして買って降りる。

「ほーらシンケンジャーだよーん」と顔の前でひらひらさせると不機嫌そうに目をあけた。
「・・・・のろ乾いた・・・」はいはいお茶ですねかしこまり、
しかし巨大な駅ビルのどこに自動販売機があるのか。さっき地下で買っとけばよかった。自販機くらいどこでもあるわと思っていたのが甘かった。広島駅のコンパクトさがしみじみ親切でありがたく感じた。都会は子連れの敵だくらいの理不尽な怒りが湧いてきつつ歩き回り、結局観光バス乗り場まで行きペットボトルのお茶ゲット。息子は一口飲む。

のろのろと歩き出した一行。人ごみをかき分けながら進む気分は、幾多の苦難を乗り越え巡礼の地を目指す修行僧のよう。しかし客観的に見れば平日働きもせずに観光旅行してる親子連れ、お気楽な身の上ですねと白い目で見られるのが関の山である。

やっと下りののぞみ号に乗車。
おなか空いたーという息子におにぎりを食べさせ、さっそくシンケンジャーすごろくの作成に取りかからされる。もうかんべんして・・・かーちゃん幽体離脱しそう。しかしつかの間の昼寝でエネルギー充填した息子は広島到着まで遊ぼうの手をゆるめてはくれませんでした。

父はこの旅にずっとついてきてて、ちょびがかわいそうな、早う寝かしちゃれぇとぷんぷんやきもきしていたに違いない。
聞こえるもんならわたしに文句のひとつも言いたいであろうが、もうケンカもできん。
父だったらどう思うかな、と、これからも聞こえない問答を繰り返して生きていくのだろう。

ちょびはもしかしたら父の加勢が聞こえてるんじゃないかと思うほど、あつかましくも元気です。

Photo_4

〈おしまい〉

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