だいすき
昨夜はなんか遅くまでがちゃがちゃと諸事を片付けていて遅くなった。
寝過ごして、息子に起こされた。オットはもう仕事に出かけていた。
「ねーかーちゃん起きて!お買い物ごっこするんでしょ!」
昨夜の約束をよく覚えている・・・はいはい
「あのねーちょび夢みたよ!じーちゃんでてきたよ」
そういって、布団にもぐりこんできながら話してくれた。
「あのねー、アニマルカード3つもっとってね、それであそぼうかなーと思いよったらね、ぴゅーっと飛んでってね、かーちゃんが、だいじにしんさいよって言ってね、そしたらじいちゃんがおってね、いっしょに手つないで走ってさがしに行ったんよ」
じいちゃんと一緒に、手つないで走って。
「そしたらね、けーさつがいっぱいおってね、たいほするーって言ったんじゃけど、すごーくはやく走ってね、じーちゃんと逃げたんよー」
という夢だった。
「そっか。じいちゃんもっとちょびと遊びたかったんだよ。じいちゃん病気で走れなかったから、夢の中でちょびと一緒に走ったんだじゃない」
そう自分で言いながらたまらなくなった。
父は、もし元気じゃったらちょびと釣りに行きたい、山に連れてってやりたいといつも言っていた。ちょびが大きくなる5年間は、父が衰えていく5年間だった。
父は夢の中で息子の手をひいて走った。
死ぬ前のやせ衰えた父ではなく、あの遺影のような、息子が生まれた頃の、まだ元気な笑顔が浮かんできた。
寝ぼけていたのもあって、息子を抱きしめて声を上げて泣いてしまった。
実家の仏壇の前に座って線香をあげるたびに、父はどこにいったのだろうと思っていた。
もう父はいないのだ。おとうさん死んじゃった。
子どものように泣く私を見てびっくりしたちょびは、リビングに走っていった。
しばらく荒ぶった気持ちを鎮めて、洗濯しなくちゃと起き上がった。
パジャマを脱いだり着替えたりしていると、リビングの板の間に腹這いになって絵を描いている息子がいた。
しばらくして、「かーちゃん!これ!」
といって、お手紙を渡してくれた。
らぶらぶはーとがいっぱい描いてあって、大好きなお鮨のシールでとめてある。
開いてみると、じーちゃん、パパちゃん、ちょび、と笑顔がならんでいて、かーちゃんを囲んでいた。
かあちゃんへ かあちゃん ちょびと
いつもあそんでくれて ありがと
かあちゃんだいすきよ ちょびより
と書いてあった。
だいすき
ありがとう。
じいちゃんが、いいお顔で笑っている。
泣くんじゃないよと言っている。
また息子をぎゅっとして泣いた。
生きているうちにいっぱいいっしょに遊ぼうと思う。
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