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2010年3月30日 (火)

さーくらさいたらいちねんせい♪


とうとう今日がやってきた。

保育園、最後の日。

そう、息子6さい、この春保育園を卒園し、小学生になるのだー。


先日、卒園式でした。
この日のために、たくさん、歌も、卒園証書授与の受け渡しも、練習してきて、みんな、どの子も上手にできました。
同じ釜の離乳食をくって大きくなったお友達。20人、どの子もかわいい。

保育期間、5年3ヶ月。
1歳になり、育休明けから通いはじめた。
まだあんまり歩けなかったよなぁ。
かーちゃんからひっぺがされて、泣いてないて、迎えに行ったら泣きつかれてて、ほっぺにいく筋も乾いた涙のあとがあって、かーちゃんつらかった。
こんなにしてまで預けて働く必要があるのかとか思った。
仕事もつまんなかった。
通いはじめてずっと風邪引きっぱなしで、熱出して、鼻水と涙でずるずるで、風邪引きすぎたのか川崎病になって入院した。
ちっちゃい手に点滴の針が刺さりっぱなしで、
もう、
会社やめた。

だけど、保育園の先生は「みんなまってるよ」ってお手紙をくれた。
がんばろうって思えた。

新しい仕事をはじめ、また通いだした。

それからは、離乳食がふつうのご飯になって、泣かずに笑ってバイバイできて、おむつがいつのまにかパンツになって、上手に絵をかいて、かけっこして、ゲームして、笑って、泣いて、どんどん大きくなりました。

子どもは、保育園で育てていただいたようなものだし、かーちゃんまで一緒に育ててもらったと思う。
先生はみんなどーんと受け止めてくれたし、甘やかせて、いっぱい愛してくださった。

夏は園庭でプール遊び、近所の公園に散歩に行って、年長さんになってからはお泊まり保育もあったなぁ。コマ回し、ウノやどうぶつ将棋も流行ったなあ。

卒園式後の茶話会会場に、赤ちゃんの頃から今までの、子どもたちの写真が貼ってあった。
ああ、あんなことがあった。そうだった。みんな大きくなったなあ。

一人ずつ、先生から手紙を読んでもらい、お礼の言葉を言うのだが、5年分の思いがぐるぐるして涙しかでてこない。
式からずっと泣いていた。からからになるほど泣いていた。

卒園式後の保護者打ち上げでは、寂しさを蒸発させるほど飲んだ。笑って誤摩化そうと大騒ぎしたけど、やっぱり泣けて泣けて酔っぱらってないた。
いい父兄にも恵まれて幸せだった。

卒園式後もふつうに保育はある。
さようならまで、あと○にち、カウントダウンする日々。

今朝、日々ハンコを押してきた3月のカレンダーを見て、ちょびがぽつんといった。
「なみだがでそう。ほいくえん、ずっといきたい」

かーちゃんも、なみだがでそう。つーかもう出てる。

ちょびは、みんなとはちがう小学校に行く。
もしかしたら、もう一生会えないお友達もいるかもしれない。
今日会ってあそんでたのに、もう二度と会えないかもしれない明日。

死ぬときって、あとから、ああ、あれが最後だったよねと振り返る。
おわかれは、最後の日を、きちんとわかって通過していくのがつらい。

今日、これから最後のお迎えに行ってきます。
どんな顔して迎えに行けばいいのかわからん。
先生方みんなにどんなにありがとうございましたって言ってもたぶん足らない。
たまたま会えた父兄と立ち話してもし足りない。
こどもたちは遊び足らない。

だけど、あと数分で、お別れです。

さようなら。さようなら。さようなら。

かーちゃんまた涙がでてきたよ。

ちょび、今日はさみしいね。

でも、あしたからはもう、小学生になることばっかし考えて、楽しみに思っていこうね。
さくらさいたからね。
一年生になるんじゃもんね。

それじゃ、お迎え行ってきます。

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2010年3月25日 (木)

斎藤くんに会ったなら


斎藤和義の長い長いツアーがどうやら無事に終わったようだ。
ほんとにお疲れさまでした。
広島しか見に行ってないけど心は全国まわってました。

ファンクラブの会報が届いてて、「ライブ後脳が興奮してるのか寝られない」とあった。ものすごい高揚状態で約半年。お体大丈夫だったのであろうか。大丈夫なはずもないが大事には至らなかったのか。ともかくも、ゆっくりしていただきたい。

記事を読んだり写真を見たりしていてせつなくなった。
わたしはせっちゃんのなにをこんなに好きなのだろう。

ぼんやり運転しながら、なにげなく後部座席の息子に話した。

「ねぇ、斎藤くんに会えたらどうしよう」
「・・・チュッチュしたら?」
「だめだよ、かーちゃんパパちゃんがいるし斎藤くんも結婚してるよ」
「うーん、じゃあさ、あのさ、おなまえかいたかみ、わたせば?ほら、あのじいちゃんのみたいな」

名刺のことである。
大量の名刺を処分しようとした時、ゴミ箱をあさった息子が昔の父の名刺を発掘し、未だに大事にサイフに入れている。

「あー名刺ね。」
「でもビリビリされたりくしゃくしゃされたらかなしいよねぇ。
 あ、さいとうくんのおうちにカメラをつけたらいいよ、かーちゃんとちょびがこうたいでみて、ビリビリしたら、すぐにかーちゃんとちょびがひこうきにのって、びゅーんと東京にいってさ、どうしてそんなことするんですかってきけばいいよ。あ、でもそういうふうにきいたらさいとうくんかわいそうだから、なんにもきかずに、またおなまえかいたかみ、わたせばいいよね。ずっとすきでした、ってかいてね。」

 監視するんかい。

はからずも、ニューシングルタイトル「ずっと好きだった」。
名刺に書いてね。渡すのね。そうね。

例えば会えたところでどうするのだろう。
ファンだと言えば握手くらいしてくれるかもしれない。写真もいっしょに撮ってくれるかもしれない。
それだけだなぁ。
たとえばわたしがキョンキョンだったら、それだけじゃないだろう。
たとえばわたしが伊坂幸太郎なら、新しい曲が生まれるかもしれない。
残念ながらわたしは斎藤さんにとってなんでもない。
それだけ以上、なにを望んでいるのだろう。

もしもなにか役目を持って会えたらどうだろう。
斎藤さんになにかインタビューするとか。
キャンペーン目的だから新しい楽曲について話すつもりでインタビューを受けるだろう。
そういうインタビューはゴマンと受けるはずだ。
素晴らしい今は他のインタビュアーが聞けばいい。
わたしは、どうやって自由になったかを聞きたい。
ギターと歌しかなかったデビュー時、ドラムやピアノは他のスタジオミュージシャンが演奏した。なんかちがうというところから、どうやって全部自分でやるところまでたどりつけたのか。「ジレンマ」と「月が昇れば」は同じ作り方だけど、あのときと何が違うのか。

じりじりするような15年を聞きたい。

誰か斎藤和義にインタビューさせてもらえませんかね。


なんてな。

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2010年3月19日 (金)

こしひもの件

 お茶のお点前の時、亭主(お点前する人)は腰に「袱紗(ふくさ)」をつける。
 つやつやした朱赤の絹のハンカチみたいなものをこう、三角にたたんで帯のところに挟む。これで、持ち出した道具を拭き清める。
 
 しかしお稽古で着物を着ないとなると、袱紗をつける場所に困る。
 わたしは若干幅広のベルトを装着し、そこに挟んでいる。

 今年に入ってお稽古をはじめたお嬢さんも、それには苦慮していた。
 腰ではくタイプのズボンに対応した今どきのベルトは、ウエストにはぶかぶかで、袱紗を挟んでもどうも具合が悪い。

 ということでこないだは、ピンク色のリボンにしたようだ。 

 と思ってよく見ると、それは「腰紐」だった。

 こ、こしひもだー。

 そして何ともいえない気分で、お茶をいただいたのだった。


 それ以来こしひもの件がずっと頭の中にモヤモヤとあった。
 で、昨夜仕事のついでにちょいと人に話してみたのだった。

 「かくかくしかじかでね、彼女、こしひも結んでたんだよ」
 「そりゃあ恥ずかしいね」

 「・・・今なんて言った?」
 「え?はずかしいね、って」
 「なんで恥ずかしいって思った?」
 「だって、よーわからんけど、こしひもって言ってみりゃブラジャーのひもみたいなもんでしょ?」
 「そう・・・そうなんだよ・・・」

 話をした人はお茶を習ったこともないし、着物も着ない。
 だけど、「こしひも人前に巻いて出るのは恥ずかしい」と言った。

 この話で、こしひもの彼女を恥ずかしい人だなんて非難する気はさらさらないのだ。
こしひもは、単なるたとえ話に過ぎない。

 「ねえ、こしひも人前で巻いて出るもんじゃありませんって、かーさんに言われたことある?」
 「ない」
 「わたしもない」
 「なんで恥ずかしいって思ったんじゃろ、どこでその感覚を身につけたんじゃろ?」
 「・・・うーん」

 こしひもって、何ですか。どういう役割がありますか。どういう意味がそこにありますか。
 それが「わかる」感覚。
 それって、こしひもに限った話じゃないんだよなぁたぶん。

 常識とか知性とか、一言で説明しようとしたらなんかはみ出す感じもする。
 
 そしてそれは、どうやったら培うことができるんじゃろうかと思う。
 

 整理整頓しましょう、あいさつをきちんとしましょう、本を読みましょう、
 5さいのころから言われてましたけど、今更ながらもしかしてそういうところの繰り返しからしか培われないのかもと。わたしももしかしたらこしひも巻いて仕事してるのかも。
 
 そんなことを、保育園卒業する息子を見ながら思うのであった。


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