きすけん
■8月6日は登校日
ということで、息子ちょび(小1)は7時50分までに登校し、みんなで平和式典を見て、黙祷して、話を聞いて昼前に帰宅した。
どうだった?となにげなく聞くと、本人なりにいろんなギモンがあったのだろう、制服をぬいで着替えながらいろいろ聞いてきた。それはねぇ、と用事を済ませながら答えていたのだが、
「あのーひこうきがいっぱいきて、ばくだんいっぱい、雨みたいにふらせたんでしょ?なのになんでげんばくは1こなの?」と。
うーん、
「広島はね、爆弾雨みたいに降らなかったんだよ。近くのね、呉とか、福山とか、あと東京とかね、あちこちの街は爆弾いっぱい降ったんだよ。で、いっぱい街がやけて、いっぱい人が死んだよ。
でもね、ひろしまは、空襲なかったんだよ。」
「くうしゅう?」
「うん、爆弾、落とさなかったの。あたらしくできた、原子爆弾がどのくらいすごいか、広島で実験するために空襲しないでおいたんだよ。」
「じっけん。。。じゃあ、わざとじゃないから、いいんだよね」
実験、
最近、雑誌のふろくで実験キットを手に入れたのだった。
「じっけんって、どういういみ?」と聞くので、一緒に辞典をひいたのだ。
「結果がどうなるかを知るために、実際に試してみること。」とあった。
だから、ちょびは実験はいいことだと思ったようだ。
「うん、もしこの広島にだれもいなくて、なんにもないところだったらよかったけど、こうやって、65年前の今日もちょびとかーちゃんみたいにこうして普通に話をしてた、その上に落としたんだよ。
ご飯食べてたり、お仕事に行く途中だったり、普通に暮らしてた人の上に原爆落としたの。そんな実験、だめだよね。」
生きてるひとの上に爆弾をおとすじっけんなんて
息子の顔色が変わった。
「だれがわるいの・・・じっけんしたひと、しんだ?」
「だれが悪いんだろうね・・・
アメリカと戦争してて、アメリカが原爆落としたんだけど、アメリカの、普通の人たちだってたくさん死んだんだよ。自分の大切な人を殺された恨みで、敵国を殺せって、お互いに殺し合ったんだ。
だけど、そうやって殺し合いをさせた人は、絶対に死なないとこにいたんだよ。」
「もうやめて・・・そんなおはなししてたら、せんそうになるから、もうやめて・・・」
パンツ一丁のちょびが泣いた。
ちょび、そんなお話をしないと戦争になるんだよ、と思いながら、ぎゅーと抱いて
「大丈夫、ぜったい戦争なんかしないから。ちょびが人を殺すような殺されるようなことにはかーちゃんがぜったいにさせないからね」と言った。
息子にうそをつくわけにはいかない。かーちゃんは、絶対に戦争を許しません。
と、言いながら、今も戦いがあり人がたくさん死んでいることを思う。
無力さを思う。
どうしたらよいのか、わからない。わからないけど、考え続けたい。
■歯がぬけた!
はやいお友達は保育園の時にもう前歯が無い子もいたけれど、ちょびはなかなか抜けなかった。
それより先に6歳臼歯が生えた。
というか、生えたいけどはぶ(はぐきのこと)が邪魔して生えられず、痛くていたくて、歯医者さんで切開してもらった。
それから、まるで朝顔の芽が出るみたいな勢いで、にょきにょきと生えた。
「まえばがぐらぐらするから、たべにくいー」と言っていたが、
このたび、たくあんをかじっていてガリッ、というものすごい音とともに下の前歯が抜けた。
下の歯は、屋根裏めがけて投げるんだ
ねーずみさん、ねーずみさん、いい歯にかえとくれーと言いながら。
ある日ベランダで人の歯を発見するとぎょっとするだろうなあ。マンションでは無理だ。
ひとまず、ちいさなビンに入れている。
もう、大人の歯が顔をのぞかせている。
■きすけん
「ああ、ちょび、“しんせつ”がしたいなぁ」
と遊びにいった車の中で薮から棒に言い出した。
「は?親切??」
「そう。かーちゃんがおねつだしたとき、ちょびしんせつしたでしょ?そしたらかーちゃんすごくうれしかったでしょ?だったらー、おこらんですむけー、しんせつがいいでしょ?」
要は怒りんぼのかーちゃんをなんとかしたいらしい。
だったらキミが怒られるようなことをしなければいい話だ。
しんせつで誤摩化されても困る。
ということで帰宅後、さっそく机に向かいはじめた。
しばらくして、
「じゃーーーーーん!はい、これかーちゃんの。これは、ぱぱちゃん!」
と、折り紙を何枚かくれた。
そこには
「かたもみけん」
「おさらをあらうけん」
「おてつだいけん」
などがあった。
「これはー、1かいつかうごとにスタンプをひとつおします。でー、それが20こになったらー、またあたらしいけんをあげます。」
というシステムらしい。ほほー。
ほかにも
「すごいけん」
「なんでもけん」
てのもある。
「これはー、もうすごいよ。このけんをわたすとー、なんでもしてくれる。しかもーそれはすごい。2まいいっしょにつかうと、こうかてき」
ほほー、一体何が起こるのであろうか。使うのがちょっとこわい。
「きすけん」
というのもあった。なんですかこれは
「ちゅーできるけんよ」
・・・ちゅーですか。
いつでもいいけぇ、つかってね!と自慢げである。
パパちゃんもにこにこ
「有効期限は?」
「ありません。しぬまでゆうこう」
ということなので、オットは30年後、70のジジイになった頃36の息子に「きすけん」を行使するつもりらしい。
わたしは、老後「なんでもけん」をそっとだし、小遣いをせびろうと思っている。
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