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2012年9月19日 (水)

玄米考

 先日から玄米を炊いて食べている。

 我が家にはなんと圧力鍋がないのだが、
 「びっくり炊き」というのを知って、土鍋でやってみた。

 長いこと水にかさなくても、いきなり炊いていいそうだ。

 そうめんとかうどん茹でるとき、びっくり水を差しますよね?
 あれと同じで、炊きあがり寸前に冷水を入れて、玄米のかたい部分にひびを入れるんだそうだ。
 
 そうやって炊いたら、案外ふっくらもっちりで、旨いぞ。


 なんでいまさら玄米か。

 この夏、ちょっとごはんが美味しくて、自分史上最高体重を記録した。
 まさにオリンピックイヤー!
 ニューレコード!!

 ほんとに洒落にならない。落ちないんだこれが。

 今までは、なんとなく食べ過ぎて身体が重くなっても、
 ちょっと数日気をつけていれば、まあ、戻った。

 しかし40の声を聞く頃から、だんだん戻りが鈍くなり、
 もう、なんか戻らなくなった。

 年はとるもんだ。だれだってそうだ。
 40年も生きてくりゃあ、どっかにガタもくるもんだ。
 シミもシワも白髪も、
 くすみ、たるみ、
 やってきました、これぞ老化。

 いつまでも若くありたいとはちょっとは思うけど、
 若さに固執するのは見苦しいと思う。
 若さもみな平等にあったのだ。
 それを資源として活用できたかどうかは関係なく
 みんなに老化はやってくる。

 だから、おだやかに枯れていきたいとは思うけど、
 できれば健康に年を取りたい。

 この年になって痛切に感じるのは
 「喰った物が自分をつくる」という圧倒的な事実だ。
 無責任に喰い散らかした結果が、下腹に現れるのだ。

 むー。

 ねえ、最近新陳代謝がさー、やせないよねぇ、などと
 同級生に話しをすると、
 そう?
 とそんな風でもない。
 
 「玄米食べてるのがいいのかな。」

 え?玄米?

 そう、すっきりさっぱりしてる人が、みなさん玄米食べていると言う。
 ほうほう、玄米、いいとは最近いろんなところで聞いておったが・・・

 玄米食べたらどうなるのでしょう。

 のっぴきならない現実が、背中を押して玄米喰ってみることにした。

 でも、玄米ってどこで買えばいいのだ。
 スーパーには、白米に混ぜる雑穀しか置いてない。
 精米したてが売りの米屋で、精米はいいですからと玄米を買った。

 それにしても、玄米食というのは、さまざまな波紋を呼ぶね。


 なんかさー、玄米いいらしいよ?と言うと、
 みなぎょっとした表情を浮かべる。
 「ああ、玄米ねー。いいらしいけどねー。」

 そこには、
 旨いものを喰うという快楽を取り上げる気か、という
 恐怖とか憎悪とか、そういうものを感じる。

 血のしたたる肉だとか、クリーム天国なスイーツだとか
 そういうもの厳禁のストイックな響きがあるよね、「玄米」。

 うちの母も「玄米・・・そういえばYさんが学校に持ってきよったよね」
 と苦々しそうに言った。

 小学生の頃、なぜかひとりだけ給食を食べず、お弁当持参の子がいた。
 てっきり病気かなにかかと思って気にもしてなかったけど、
 彼女のお母さんが玄米菜食主義だったのだそうだ。
 
 なんというか、玄米原理主義みたいになると、つらいね。

 玄米は身体にいい。そうだろう。
 身土不二、一物全体、それも納得。
 正しい、だから反論ができない。
 それはちょっとした暴力になり得る。

 よく知らない友だちからファミレスに呼び出されて、
 知らない「先輩」と、目をキラキラさせて
 「ね。だから一度、青年部の集まりに参加してみたらいいと思うの」
 などと2時間も3時間も入信の説得をされた、あんな圧力を感じる。

 宗教と食い物は、個人の自由だ。
 何を信じようが、何を喰おうが、人様に迷惑をかけなければ勝手だ。

 だから、わたしはあなたに「玄米いいよ」などと言う気はあんまりない。


 養生、豊かさ、健康、しあわせ、
 それぞれ、いろんなかたちがあっていい。


 それにしても、玄米食べはじめて体重がもとに戻った。できすぎてる。
 まあ、玄米喰ったらやせるんじゃなくて、
 野菜やほかの食べる物にも気をつけるようになったからだと思うけど。
 気に入ったので、当分続けてみるつもりではある。

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