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2013年6月21日 (金)

もしも死んだら

 2週間ほど前だったか、朝なにげなく身体を動かしていて「ん?」

 両手を頭の上で組み、身体の側面をのばすと、左胸に痛みが走った。

 触ってみると、ちいさなしこりが、あるような気がした。

 ぞぞぞぞ・・・・
 ちょっと、血の気がひいた。

 昨年、分厚い「がん検診クーポン券」が広島市から送られてきて、行かなきゃなと思いながら、3月もバタバタで行けなかった。クーポン使えなくても行こうと思いながら、予約を入れそびれていた。

 生理前や直後はホルモンの影響で胸が張っているので、検診に向かない。
 生理終了後2週間くらいがいい、と知っていて、毎月そのタイミングを逃してきた。

 でも、その朝、こわくなってがん検診の予約の電話をしたのだった。


 もしも、乳がんだったら。

 国民健康保険料は減免になるな、などといろんなことを想像しだす。

 どのくらいの早さで、どうなっていくんだろう。
 放射線治療、抗がん剤、
 「毛のない生活」山口ミルコさんの壮絶な体験記を読み返す。

 もしも、間に合わなくて、死ぬとしたら。
 何を準備したらいいんだろう。

 いろんな引き落としの口座なんかも移さないと
 病院のベッドで使えるようにiPadminiとか買っとこうか
 息子が成人するまでの、誕生日に読めよ手紙とか書いとかないとな

 こうして、晩ご飯をあと何回つくって食べられるんだろう。
 息子の寝顔、あと何回見られるんだろう。
 この蛍は、来年はもう見られないのかな。

 身体がうごくうちに、家族写真が撮りたいな、
 3人で
 笑って、
 
 その、わたしだけが消えて、2人残った写真を想像して
 泣けた。しゃくりあげて泣いた。
 
 まだ死にたくない。


 胸にしこりがあって、痛くて、産婦人科に行ったのが女子大生の頃。
 紹介してもらって、乳腺外科のある「新本クリニック」に行った。
 触診、エコー、マンモグラフィー
 乳腺のかたまりがあるけど、がんじゃなかった。
 それから何年かおきに受診。

 「寺本さん、あなた20年も来てるんだねー、いいねー、データが蓄積するからねー。
 あなた、4年も来てなかったのねー、乳がんだったら大変よ、1、2年に1度はおいでねー」

 あのう、手を挙げたら痛むんです、しこりもあるし
 「じゃあ見てみようねー うーんそんなしこりはないけどね、じゃあエコーで見るよ、
 このね、さーっと薄い雲みたいなかったら異常なし。もしがんだったら、真っ黒くギザギザーっと写るけどね、マンモグラフィーで詳しくみようね。
 山田邦子とかはね、6mm、米粒が8mmね、そんな小さいのが見つかったのよ。番組で、ためしに受診してねぇ。マンモじゃないと見つからんよね」

 マンモグラフィーというのは、台にのっけたおっぱいを、タテはさみ、ヨコはさみでレントゲン撮影する機械。4年来ない間に機械がバージョンアップしていた。

 痛くていやだ、という人もいるが、そんなに痛いとも思わない。

 デジタルデータだから、すぐに画像が診察室で見られる。

 「いまごろはね、こーやって拡大して探せるのよ。きれいなね、このふわーっとしたのは乳腺。たしかにあなた、左胸に乳腺のかたまりがあるよね。これ、紙屋町電停みたいに込み合ってる感じ。あとはね、見当たりませんね。大丈夫。」

 よかった。

 あの、その6mmくらいだったら、しこりってわかりませんよね。
 どのくらいで進行するんですか?
 「乳がんってひとくちに言ってもね、17種類あるんよ。なかには5、6年もじーっと進行せんのもあるし、ぱーっと進むのもあるしね。じゃけぇ、1年か2年おきには、検診せんといけんのよ。またかわったことがあったらいつでも来なさいね。」

 ひとまず、乳がんで死ぬことは、とうぶんなさそうだ。


 だけど、若いのに、突然亡くなる方だっている。
 死ぬつもりも予定もなかったのに
 何の準備も、さよならも言えずに

 だから、元気で健康だと思っていても
 もしも死んだら、と思っているくらいでちょうどいいのではないかと思う。

 80過ぎまで生きる予定だけど
 明日、どうなるか実はわからない。

 きょう、息子とちゃんと話したか
 家族が健康であるよう、ごはん美味しく作れたか
 大事に話をしてるか
 いやなことややりたくないことに、無駄な時間をさいてないか
 やりたいことに真剣でいられるか
 そういう「死んだら後悔する」ことを、できるだけ減らしたいと思った。

 生きてるって、ほんとにありがたい。


 

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