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2006年7月10日 (月)

もどかしさ

以前、広告代理店にいたときには
お客様に一番近いところにいた。
日々、なんでもない会話がオリエンであり、
そこに満足をもたらすために
なにが不満足なのかを嗅ぎ取り
「ね、これでしょう」
と差し出すのが役目であり
「おーそれよそれ」
と言われるのが喜びだった。

そこでキャッチした不満足を解決し
満足をもたらし、
しかもそれが世に出て「売れる」
そういうものに具現するために
デザイナーさんやカメラマンさんや
様々な職能にお願いする。
素晴らしいご縁に恵まれたこともあって
いい満足をつくってきた。


さて今。
企画、編集、そういうことをしているが
実はお客様から遠いところにいることが多い。
たとえそうだとしても
世に出ているイメージ、評判、受ける印象
そういうものを総動員して
不満足を想像し、満足につなげようとしている
けれども
もどかしさは否めない。

とっても気に入っておられました
という評価はうれしいが
服の上から背中を掻くような
そんな感じが拭い去れない。

伝言ゲームは、どんなに精度が高くても
白が、時には赤にもなる。

「とってもいいんですがね」
と笑った表情の陰にある
「ですがね」
の部分にこそ
解決すべきことが隠されているのに。
それこそを、ほぐして目に見える形にするのが
わたしの仕事なのに。

自らを活かし切れていないもどかしさがある。

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