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2006年10月 6日 (金)

「お心入れ」で売る自動車

よく拝読しているdoumoriさんのブログ
10月1日付「三菱自動車『i(アイ)』」という記事があった。

詳しくはブログを読んでいただくとして、
概要は日経新聞「「消費をつかむ(2006.6.23 1面)」に
「三菱自動車『i(アイ)』」がとりあげられていたことについて。

−−−−−
都会に住む20歳〜30代の女性をターゲットに、
開発に3年をかけ、通常の倍以上のアンケート調査を重ね、
綿密なマーケティングをもとに世に出された「i(アイ)」

5月末までの販売台数は21,000台と当初の目標をクリアしている
らしいが、購入者の7割弱が男性。また63%が40歳以上。

「狙った顧客にはメッセージが届かず、想像もしないところに
消費者がいた」
−−−−−


今、とある輸入車のオーナー向け季刊小冊子に携わっている。
オーナーの買い換え需要を喚起するために
車が好きな人がグッとくる読み物はなんだろうと考えていて、
その裏付けをとるためにある車好きに話しを伺いに行った。

車好きメカ好き少年がそのまんま大人になったようなその人は
車好きってのはこういうもんだとたっぷりと語ってくれた。


その中の余談で
「最近とても気に入ってる言葉があるんだ。
それは、『お心入れ』」。

「お心入れ」とは、茶道などで
主人が客人をもてなすことをいう言葉だが、
花一輪、炭の塩梅、道具のひとつひとつ、茶に至るすべてを
客のために思案し考え抜き準備するのだが
それをとりたてて言わない。
客の方もその「お心入れ」を感じつつもあえて口にしない。
そういう日本独特の美意識である。


「車のCMなんかは本当にひどいもんだ。車が好きな人が
つくってないことがすぐに分かる。
あのCMを見てエンジニアは泣いてるよなあと思うんだよ。
エンジニアはその思いを語らず、というかCMで表現されず、
しかし車が好きな人はその思いを汲んで共感して買う。
車を売ったり買ったりするのも、『お心入れ』なんだよなぁ」。

その話しを聞いて、冒頭の「三菱自動車『i(アイ)』」
のことを思い出したのだった。

三菱自動車のサイトをのぞいてみたら、
Car World 「新車レビュー」開発者、専門家が語るi(アイ)
というところにリンクが張ってあった。

開発者、技術者が語るその開発にかける思いを読んで
「未来形スモール。スペシャルサイト」を見ると
そのイメージの落差にくらくらする。

この車の「お心入れ」に共感したのは
車好きメカ好きの男性だった。
セカンドカーとして購入したのかもしれない。

では、 都会に住む20歳〜30代の女性をターゲットにしたことが
間違いだったのか?

わたしはなんとなく、
20歳〜30代の女性のとらえかたにブレがあるような
そんな気がした。

運転あんまり得意じゃなくて
ちっちゃい方が停めるのもらくだし
でも収納とかいっぱいあってほしくて
インテリアもかわいいのがいいよねぇ
という人もたしかにいる。多いかも。

でも、開発者の方の言葉にある開発コンセプトは
「“持つ喜びと使う喜び”をプレミアムとする」
「軽自動車でもメインに置いてもらえるクルマ」
「スタイリングを含めた“オブジェ感”のあるクルマ」
だった。
しかも“高い軽”の市場性を探っているのである。

なんというか、商品と表現(特にWEB)のIQに
開きがあるように感じた。

なーんて、外野は好き勝手言い放題ですね。

doumoriさんは、今後、本来のアカウントプランナーの仕事が
まさに必要とされていく気がすると書かれている。
「アカウントプランナーは、ユーザーやメーカーのちょっとしたひと言から、未来を察知できる、洞察力が求められる。そうなれるようさらに努力。対話能力、思考能力、現場感を高めねばならないとより感じる」。と。


メーカーの「お心入れ」を正しくプレゼンする
広告の難しさ背負う課題を考えさせられました。

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