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2008年6月10日 (火)

目に見えないものの値段


この消しゴム100円です、というのは分かりやすい。
だけど、「目に見えないもの」にどう値づけるか。
それは売る方も買う方も悩ましい。

それでも標準的な“相場”というのは形作られる。

例えばデザイン料金は、(社)日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が「制作料金算定基準」を作っている。
それは、作業料や経費の他に、質的指標(制作者の能力の指標)と量的指標(媒体のボリュームや達成目標)が勘案されて制作料金が算定される。
またそこには、「基本的にブレーンワークも立派な「作業」だという考えと、そのブレーンワークこそが付加価値を生むという考え」が確かに込められている。

もっとも、それは東京価格だから地方価格で、とか、予算や事情で算定通りになることはまあ「ほぼ」ないとしても、考え方の基準はそこにある。
(だけどほんとに企画料などから真っ先に値引き(踏み倒す勢いで)されてくので、見越して作業料や印刷費なんかにのっけざるを得ない、乗っけてるからまあしかたないですねと企画料を値引くからそれが当たり前になる、だから真っ当に企画料が請求できないというデフレスパイラルがもう止まらない)

デザインやコピーライティングはそれでもなんらかの「目に見えるもの」に完成するが、ディレクションやコンサルティングというのは形を成さないことが多い。

だからコンサルティング料金というのは、様々な料金メニューやコースが細かくあって、わざわざ「目に見えるもの」にして計上しているのだろう。

もちろんクライアントは「目標」があって依頼するわけで、
ディレクション料やコンサルティング料は、目標達成を担保するものである。
目標が達成できなければ、費用対効果的には、無駄な支出ということになる。

では、「目標があいまいな場合」はどうなのか?
「売り上げを○○万円にしたい」というのは目標のようであって目標でない。
“どうやって”そこに到達するのかのイメージが曖昧なままでは「目標」にもならない。

インタビューというのは、しばしば答えながら
「へえ、自分はそんな風に考えていたんだ」と改めて気づくことが多いのだという。

自分の頭の中だけで考えるより、誰かと話しながら考えた方がアイデアの飛躍が起こることも経験的に知られている。

だから、話をして、一緒に目標を探すところからはじめる。
なんとなくしかつかめていなかったイメージを、
はっきりと自覚し共有できるものにしていくことは、
価値あることだと思う。
わたしの仕事はほぼそこだけにあるとも思う。

それがいくらなのか。

とても難しい値段ではある。

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