ユーモアで
今年も残すところあとわずかとなりました。
みなさまには大変お世話になりました。
ありがとうございました。
ゆうべの晩のおかずさえおぼつかないのに、今年一年を振り返ろうにも、暑かった夏のことさえもぼんやりしています。
人は忘れながら生きている。忘れたものはいらないものなのだ。
とはいえ、秋の、青空の朝をものすごく覚えている。
お茶の稽古に向かう道、かつかつという革靴のリズムをききながら、「ああ、整った」と思ったのだった。
長いこと、似合う服すらよく分からなくて、好きなテイストもばらばらで、長いのも短いのも一緒くたで、カオスな自分に困っていた。
でも、ここ最近の選択は、一つ一つ迷い無く、ぴたっと選べて気に入っていた。
そうやって一通り揃った、今の自分がやっと好きである。
だから、やってみてもいいかもな、いやむしろ今年中にやってみるべきだと思ったのが、ひとりでやるストリートライブ。
いつもは、クライアントから依頼を受けて、最善をめざして職能を束ねて作って(もらって)いくクリエイティブディレクターという仕事だから、端から見たらあなた何をしてるんですかという仕事なのだ。
歌うたいが、ギター1本で道ばたで歌うようなことって、わたしだったらなんだろう。
それが、「スナリ望年会 話す温泉〜いい茶だな〜」でした。
結果、知ってる人、お世話になってる人、知らない人、通りすがりの人、いろんな方がテーブルを囲んでくださった。
おそるおそるの顔が、出された茶杯を顔に近づけると、ふぅと表情が緩み、ひとくち飲んではぁ〜とくつろいでいく。心がゆるんでひらいていく。まるで花が咲いていくようだった。
お茶が美味しかったら、それは茶の樹に手塩をかけた茶農さんと、茶師と、お茶屋さんのおかげだ。
わたしはただ、湯を差して、茶碗に注ぎ分けただけだ。
そういう人々の手を借りて、わざわざおいでてくださった人々からも力を分ていただいて、その瞬間にしか聞けない言葉、思い、感覚、空気、魔法のように幸せだった。
一人で歌ったわけじゃない。それがよく分かった1日でした。
来年も、この感じを忘れずいきたい。
一人でアウトローを気取ることもなく、数を競うようなこともせず、
こだわらず、とらわれず、のびのびとしていたい。
いきいきと。
みなさま、よいお年を。
また来年、いろんな新しくて楽しい世界を一緒に見ましょう。
スナリ 寺本紫織
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