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2011年1月 7日 (金)

年頭挨拶 カモメのように

 新しい年がはじまりました。
 今年一年、またよろしくお願いいたします。

 さて、年頭に旅行に行ってきました。
 我が家はだいたい年2回、車で長旅をするのがここのところの恒例になっている。盆と正月。
 子供がいても目的地はなんとかランドではなく温泉。源泉掛け流し。
 息子が小学生となり、保育園時代と違って好き勝手に休ませられないので、今回も始業までのショートバージョンだったが九州北部をぐるぐるまわってきました。

 広島を出て延々高速を南へ走る。
 初日の宿は、長崎県 雲仙 小浜温泉。
 陸路でも行けるが、ドライブにも飽きて、熊本県側からフェリーで対岸の島原に渡ることにした。

 長洲と多比良を結ぶ有明フェリーの出航時間にもちょうどよく港に到着。

 オットが、「ちょっと行ってくる」とフェリーターミナルへ。
 戻ってきたその手には“かっぱえびせん”があった。
 運転の疲れか、スナック菓子なんぞ珍しいなどと思いつつ乗船。
 なんとか船内に座席を確保すると、ほどなく出航。到着まで約40分。

 「デッキに出てみようよ」
 このくそ寒いのにとも思ったが、息子とオットが小躍りしながら出て行くので仕方なくついていく。

 するとそこには カモメ がいたのだ。

 乗客たちは、それぞれなにかちぎって放り投げている。
 カモメの大群が、それを目当てに船に群がっていたのだ。

 息子は、あのかっぱえびせんを自分の口にも入れながら夢中になって投げていた。

 船内売店には「かもめパン」が販売されているが、売り切れることもあるらしく、かっぱえびせんを買っておいてくれたのだった。

 かーちゃんも息子からえびせんを奪い投げた。キャッチ!上手い!すごい!夢中で投げてなくなって、息子と「かもめパン」100エンを買いに走った。
 かもめパンはふわふわのコッペパンで、人が食べても旨かった。

 しばらく投げていると、カモメたちの動きがよく分かってきた。

 船に並飛して、客が投げた餌をキャッチして船を抜きさる。
 キャッチできるかどうかは、一瞬の勝負。キャッチできてもできなくても、飛び去り、船の前方で向きを変えて船尾に向かいまた戻ってきてチャレンジするのだ。

 手をかすめて飛び去った後、前方の海上でひらりと向きを変える鳥たちは、なんて楽しそうなんだと思った。
 風をうけて、余裕で、ひゅうとひるがえる。
 宙返りみたいに、くるくるんと回ってみせるものもいる。

 そして、真剣な顔で接近してきては、投げられた餌を、くちばしで見事につかまえるのだ。
 タイミングを計り、空中で急ブレーキをかけるように羽ばたきながらキャッチ。
 ミスったら、落ちていく餌を他のカモメが追いかけるように落ちていってキャッチ。
 たまに失敗して着水。でも平気。
 ミャアミャアキャアキャアと、大騒ぎしながら、綺麗な円環を描いていく。

 飛ぶいきものって、なんて美しいんでしょう。

Img_1882

 見てこのエサ目線。

 1匹、羽根の茶色っぽい子をずっと目で追って、その子めがけて餌を投げてみた。
 何周目かに、「あれこいつ俺に投げてる?」と気づいたのか、環を縮めてわたしめがけて飛んで来るようになった。
 ひゃっほ〜!という歓声が聞こえてくるような飛びっぷりだった。

 雪がちの海上の寒さも忘れ、時間もあっという間に過ぎて、島原に到着した。

 

 宿の湯につかりながら、カモメたちの姿を思い出していた。
 あの羽ばたき、ひるがえり、鳴き、キャッチする能力。
 生き生きと、生きている歓びにあふれていた。
 それを見るわたしもうれしかった。

 飛べないけど、今ある五感をちゃんと使ってるか?
 見えてるようで見てなかったり、聞いてる風で耳を塞いでたり、
 大事な暖かさを感じなかったり、粗末にしてないか?
 その五感をきちんとしなければ、その先の感覚が冴えるわけがない。

 感じることがすべてで、感じたことがすべてだ。

 その瞬間にナイスキャッチできる能力を、日々磨こう。

 そうやって嬉々として生きていけば誰かをまた歓ばせることができる。

 今年のスナリはカモメのように。
 めざして飛んでいきたいと思います。

 みなさまの1年もまた、光のような日々でありますように!





 
 

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