I♥エンスー Vol.26 スモール化
中国新聞 中古車情報サイト「チュレカ」(2011.3末でクローズ)に連載していたコラムのバックナンバーです。
【2009.2.6 掲載】
I♥エンスー Vol.26 スモール化
昨今、「あれ?」と気がついたことがある。
なんとなく、気のせいかと思っていたけど、やっぱりそうじゃないかと思う。
ヤン車の「軽」化である。
軽自動車のヤン車も前からあっただろうが、最近増えてきたような気がするのだ。
ヤン車の定義ってなんなんでしょうね。
イメージとして基本、中古の国産高級車だったように思う。
窓には濃いスモーク、白とかのハンドルカバー、エンブレムは金色で、なんか長いアンテナがのびて揺れてて、ホイールがでかくて、マフラーうるさくて、地を這うようなエアロ化が施されている。そんな感じか。
そのヤン車フィロソフィーはそのままに、土台だけ「軽」になっている車をよく見かける。
ヤン車も車愛の一種であり、稼ぎの半分くらい車につぎ込んじゃうようなことになっている人も多いと聞く。
ここのところの不景気で、維持費重視の堅実指向にチェンジしたんだろうか。
それともエコ?エコヤンキー?
そういえば最初からヤン車仕様の軽自動車も販売されてますね。需要があるんでしょう。
しかしそもそもヤン車にヤンキーが乗っているとは限らない。
その装飾流儀にもいくつもの派閥があるような気がする。
「ワルを表現する」という一辺倒な感じでもないのだ。
なんでこんなことをうだうだ書いているかと言うと、ヤン車ってなんかかわいいと先日思ったからだ。
信号待ちで停車中、何気なく見たバックミラーに、黒い軽自動車が写っていた。
車内には、今どきの若者男女が乗っていた。
ダッシュボードに白いファー、ヒョウ柄ハンドルカバー、バックミラーには色とりどりのハイビスカスのレイだとかなんかがじゃらじゃらぶら下がってて、狭い車内がいっそう高密度になり、運転席と助手席の間合いもいっそう狭く感じられる。
そこで、その二人はひまわりみたいないい顔で笑い合っていたのである。
なんだかプリクラのフレームごと走ってるみたい。
みっちり好きなものだらけの空間、楽しそうだな〜と、見てるこっちまで嬉しくなった。
そもそも日本人は4畳半の茶室に宇宙を感じてきたのだ。
現代の「軽」ヤン車は走る茶室か。
・・・そんなたいそうな話でもないか。
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