2012.7.7 七夕温泉茶
さる7月7日(土)、「話す温泉 ♨ 七夕茶」を開催いたしました。
話す温泉って何なのか?
それは、旨い茶を淹れて場をあたためる不定期開催放浪イベント。
風呂桶に入湯料をちゃりんと投げ銭したら、茶碗を囲んで「入湯ーク」。
湯を注げば湯気がたつ。
茶を口にすれば「はぁ〜」と漏れる。温泉につかる時と同じじゃないか。
知らない人とも茶を囲めば、そのうち心も丸ハダカ。
くだらない茶飲み話はかけ流し。
でもそういう無駄話のなかにこそ、宝が転がる。と願って茶を淹れるイベントです。
今回の七夕茶の様子をご紹介。
今回、お茶は二種類。碧螺春(中国緑茶)と、“シェフの気まぐれ茶”。
まずは碧螺春をガラスの急須で淹れます。
こういうお茶会では、もっと香り高いネコパンチみたいなお茶を淹れて、
「は〜いいかおり!」と言わせたいところですが、
なんというか、この春のうぶい可愛らしい新芽を見ていただきたかった。
淡ーく、耳を澄ますようにお茶が飲めたらと思った。
小さい芽が湯の中でほどけて、さっきまで畑で生えてたようなグリーンになったころ、
「花あそび」をいたしました。
その昔、宮中では七夕の節句に、織姫様に花を捧げる花合わせ(花札じゃないよ)をされたとか。
いろんな花入れに草花を入れ、並べて飾って鑑賞したとか。
茶の湯の稽古にも「花寄せ」というのがございましてね、
並べられた花入れのどれに入れるのかを見定めて、手元の花台から花を選び、長さなどを整え持って行き、えいっと活けるのであります。
まあそんなこんなをアレンジしたのが「七夕花遊び」。
白い布は天の川。
そこにはなんにも入ってないツェツェ・アソシエの「Vase d'Avril (四月の花器)」。84さんがご用意されました。
ここに、お客一人ずつ花を生けていただきます。ご連客一巡で完成。
お花は観音のドゥジエムさんで購入。
なんというか、どの花選んでもドゥジエムさんの花だなという感じ。
どう入れても美しい。
とはいえ、見知らぬ同席の方々と恊働ですからね、連帯責任というか。
「え〜〜〜〜 むずかしい・・・」
とまどう背中。木材ならお手の物のさしもの家具職人氏。
「イエ〜イかんせい〜〜いいんじゃなーい」
北の最果てに転勤が決まったS嬢のキメポーズ。
毎席、花材は一緒なのに不思議と雰囲気が変わります。
たまたま84さんにお買い物にいらっしゃった親子連れ。
小学2年生くんが「お茶飲みたい〜」と参加してくれました。
「パパしっかり〜!」
「う〜ん、なんだかさみしいなぁ」
「これでどう!?」
ぶさっと紫の花をど真ん中に挿して完成〜。
完成した花を眺めながら、2種類目のお茶を淹れます。
「台湾のお茶」(ぜんぶFormosaTea Connectionのもの。旨いさそりゃ)
発酵度や標高の違いなんかで、いろいろ気ままに淹れました。
お菓子は、瀬戸田・耕三寺門前 梅月堂のギモーヴ(マシュマロ)。レモンとデコポンと苺味。
酸っぱすぎてお茶にどうかなと思ったが、「さわやか〜〜〜」とご好評でよかった。
もう1つは「花琥珀」。もみじまんじゅうの藤い屋のお菓子です。
お茶は中国や台湾に買いに行ってるわけでない。
ましてや、育てて作っているわけでもない。
お菓子もつくれない。
用意して、湯を注いで、お出しするだけ。
わたしのできることはたかだかそれだけ。
だから、美味しいのは私の手柄じゃなくて、霧立つ高山で愛しんで茶の樹を育て、寝ずに茶を作っている方や、現地の茶畑を旅して確かなお茶を仕入れて来られるお茶屋さんや、お菓子屋さんや、そういう人々あっての茶ということを伝えなくてはと思う。
美味しかったらそれが買える、そういう風通しのよさも必要と思う。
「目に見えない背景」を、十分ではないかもしれないけど伝えて、
「は〜 おいしい」とため息をついていただいて、
そこからは自由に話がドライブしていく愉しさを。
知ってる方や知らない方、全6席フル回転でした。
お席に入っていただけなかった方もいらっしゃいました。申し訳ないことです。
いろんな方との出会いや会話で、たくさんのことを感じました。
それはまたの機会に。
ご入湯ありがとうございました!
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