「センター」をつとめる
かつてわたしは「センター」をつとめた。
そう、AKBなんかでいうとあっちゃんである。(卒業したけど)
・・・うそつきました。
そういう、女子たちの晴の舞台の中央玉座をつとめた、というのではまるでない。
会社の「センター」だ。
もっとわかりやすくいうと、「中継」だ。
かつて勤めていた会社(のどれかって?一番最初のやつかな)は、社員数5.6人の中小広告会社だった。
社長がいて、ナンバーツーがいて、ほかに2、3人いて、わたしがいた。
新卒入社したころは、雑用小間使い&経理だった。
社会の右も左もわからないのを、まあよく雇ってくれたと思う。
門前の小僧はそれでも耳学問で、なんとか一通りわかるようになった。
すると、「センター」をつとめざるを得なくなったのだ。
社長がふらりと出て行く。
「社長どこいった?」と社員がわたしに聞く。
「たぶん◇◇じゃないですかね、帰りに○○に寄るとか言ってましたし、今日はもう帰って来ないんじゃないすか。」と答える。
あくまでわたしの推測だ。しかしこれが十中八九当たる。
「○○君なんて言ってた?」と社長がわたしに聞く。
「あー、なんか腑に落ちない感じでしたよ。◎◎の案件がまだ片付いてないじゃないですか、あれが頭にあるんじゃないすかね。」と答える。
口からでまかせだ。でもたぶん当たってる。
おまえら、直接話をせーよと何度思ったか。
しかし、たった社員数人の社内のディスコミニュケーションは凄まじかった。
ひとこと、言ったらすむことなのに、
ちょっと、聞けばすむことなのに、
なんであんたたち、わたしを通すのよ!
しかし、直接は話ができないのだった。
メンツが邪魔して。都合がわるくて。虫の居所がわるくて。時間が無くて。
直接話すとケンカになった。
まあそんな会社だから空中分解したんだろうけど、
そのなかでも、まあよく、なんとか情報を流通させていたよなあと思う。
そんな大昔のことを思い出したのは、先日の「納涼ビアガーデン女子会」でだった。
「もう!直接話してくださいよって、何度も言うんですけどねっ!!」
ああ、ここにも「センター」を嘱望されてる人がいる。
その腹立ち、めんどくささ、わかります。
でもさ、それができる人とできない人がいるんだよ、たぶん。
なんか、できる人だと見込まれてるんだから、
「しょーがないわねっ!」って、話をきいてあげてよ。
などと話した。
思い返せば、会社の中の状況を一番把握していたのも「センター」だったからだと思う。
得た情報を、適切な人に素早くパスする。
いろいろ複合的にとらえて、ひとつ先の状況が見える。
フリーで仕事してても、この「センター」的立ち位置は、あんまり変わってねえなあ。
ほんと、しょうがないよね、と冷たいビールを飲み干した。
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