ずっと話していたいね
先日、結婚式に出席させていただいた。
友人知人の結婚もすっかり済み(済んでないのもいるけれど)
ここんとこずっと冠婚葬祭の「葬祭」ばっかりだったので、
結婚式ってなんていいんだろうとうきうきした。
「数珠持ったか」とか思わなくていいし、
黒い服じゃなくて、みんなおめかしして祝いの装いをする。
そういう個人的な歓びをさっぴいても、とても素晴らしいお式でした。
結婚の誓いを読み上げるお二人に、おばちゃん涙がこぼれました。
おめでとうございました。
さて、年の功でえらい高い席に座らせていただいたのだが、
お向かいに、新郎の恩師が座られた。
広大理学部ご出身の、現在ある研究機関にお勤めの方だった。
「ほら、寺本さん、ヒッグス粒子とか書かれてたでしょう?
だからきっと話が合うかと・・・」と新郎にご紹介いただいた。
はいー、わたしサイエンスカフェというのの司会をしておりましてー・・
「ほうほう」
と、美味しいお料理をいただきながら、なんとなく話しはじめた。
「実は新郎の家庭教師といいましてもね、勉強の話をしたのは数十分で・・・」
10も年の離れた二人が、宇宙や数学や骨董や美しいものの話を、ずーっとしていたのだそうだ。
そうやって新郎の人となりは育ったのかと納得しつつ、
先生の、「ものへの愛」の話で熱く盛り上がった。
「(とある作家さんに会いにいってその工程の複雑さに)つい、『大変ですねぇ』と漏らしたら、
『自分の仕事を大変だなんて思ってる奴はだめだね』って言われたんですよ」
「作家さんに会いにいって、どんなに言葉が稚拙でも、すごいと思う気持ちはそういう人にはなんか伝わって、わかってくれるものなんです」
へへー
近くの席に座ったひとたちも、つい引き込まれて話に加わった。
それぞれの職能に、その話を重ねて聞いて、納得し感心し発見し、話をした。
「これって、録画して放送したらいいんじゃない?」「日曜美術館 的な(笑)」
などというくらい、濃い話だった。
「いやー楽しかったなぁー。こういうふうに話せるサロンがあったらいいのにね」
「ほんとほんと」
そしたらわたし、そこで相づち打ちながらずーーーっと茶淹れますよ。
なんて話した。
そういう「場」があったらいいね。
ないんなら、つくったらいいね。
先日来からの想いと重なる、うれしい話だった。
ずっと話していたいね。
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