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2013年6月23日 (日)

『爆笑サイエンスカフェ④』【前人未到をのぞく】

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2013年6月7日(金)付中国新聞朝刊・文化面掲載
※中国新聞社に転載の許諾を得ています。

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(下記は自分の中での最終版。掲載文章とは若干ちがいます)


『爆笑サイエンスカフェ ④』 【前人未到をのぞく】 寺本紫織

 サイエンスカフェの来場者は、科学への興味が強く知識も深い。と思ったら、中学校で習った理科さえすっかり忘れてる自分みたいな方も結構おられる。小学生から80歳過ぎまで実に様々。だから理解度もぜんぜん一様ではないが、できれば多くの方に「おもしろかった!」と帰っていただきたい。

 難しい部分を削った「お茶の間科学」も確かに楽しい。でも、その「難しい部分」こそ最先端科学の醍醐味。「なんかよくわからんけど凄い」という感動もあるのだ。

 それは、第11回「葉緑体にあいた穴」で古本強先生が世界初の成果を出した瞬間の話を聞いた時だった。「葉緑体の包膜に存在するピルビン酸輸送体分子」というさっぱりわからない話を「え、ATP知らん?そっからか・・・」と絶句しつつ、熱心に丁寧に順を追ってわかるように話してくれた。そんなん常識やということをホンマなんやろかと疑い、自分の考えを信じて10年。その実験結果が出たとき、歓喜のあまり叫びましたか?

 「いや、それまでの百ある実験の失敗の後だけに、まずこれはウソやろうと思いましたね。あと3回やってこの結果だったらホンマやと思おうと思って、2回目、やっぱりでた、3回目、大丈夫、4回目・・・・ぽろっと涙がひとすじ流れました。案外、静かなもんなんやなーって思いましたね」

 科学者のエネルギー源は「知りたいという欲求と、知ることで得られる感動、ワクワク感」だという。まだ誰も知らない世界を、初めて見たときのゾクゾクするような感覚、生きていてよかったと思うこと。科学者の語りに伴走するサイエンスカフェでは、そういうのを肌で感じることができる。

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