楽しい勉強【美味しい珈琲】
美味い珈琲
「スペシャルティコーヒー」に出会ったのは2007年、今から3年前だ。
そのときのことをこんなふうに書いている。
Sunari「スペシャルティコーヒー」
(以下一部抜粋)
中国茶の魅力でわたしを虜にしてくれた
旨いものアンテナの鋭い友人が
「あそこの珈琲はすごい」と教えてくれた店、
「コーヒービーンズショップ・スマイル」
に行ってみたのだった。
焙煎のいい香りのするお店はそんなに広くなくて
ガラス瓶に入れられた豆が棚に並んでいる。
「試飲してみられますか」
椅子に腰掛けて淹れる様子を見ていると、
あれ、ペーパードリップじゃない。
紅茶を淹れるような、フレンチプレスで淹れてる。
出された珈琲は、なんだか濁っている。
「珈琲は琥珀色の液体」じゃなかったっけ。
といぶかしがりつつ一口。
「なんじゃこれは!?」
見た目とのギャップがすごい。
驚くほど、クリア。ぜんぜん、嫌な雑味がない。
しかもなんだか、フルーティですらある。
これが、スペシャルティコーヒーだという。
その、今まで飲んでいた珈琲はなんだったのかという驚愕の体験をし、さっそく豆とフレンチプレスを購入して帰り、自宅でもその美味い珈琲をいただけるようになった。
中国茶、日本茶、紅茶、酒、のローテーションなので豆の消費量は珈琲好きの風上にも置けないほど少ないのだが、スマイルで知ったあの味、香り、うっとりする体験を重ねて、折々に「この珈琲美味しいんですよ」と半ば押し付けるようにいろんな人にプレゼントして「あれ、凄かった!」と言われると自分の手柄のようにニンマリしたりして、気がつけばもう3年。早いものである。
昨年末、茶飲み友達と食事会をしたとき。その「凄かった!」とびっくりしてスマイルの珈琲にはまったある人がこう言った。
「フレンチプレスでお店の人に習った通りに入れてるはずなんだけど、どうもお店で試飲するように美味しく入らない」と。
なんかやりかたが違うのではないか、教えて頂戴ということだったのだが、私とてものすごいおおざっぱにやっているわけで、お教えするようなことはなにも・・・と思いつつ
「えーまずは豆2杯入れます」「ふんふん」
「そこに湯を注ぎます」「温度は?」「熱湯でいいって聞いてるよ」
「はいざざー」
「あ。豆にあたらないようにとか、壁を伝うようにゆっくり湯は入れるの?」
「うーん、あんまり考えたことなかったけど。ドバーっと」「へー」
「はいこのへんまで水面がくるまで入れます」「ああこのへんね」
「はい4分待ちます」「はいはい」
「あ、1分経った!はいみんなこちらに鼻寄せて!いきまーす」
泡立った粉の表面を、スプーンでそっとこわす。
「!!!!!!」
その瞬間、4人がえも言われぬ顔でのけぞっていった。
「・・・いい香り〜〜〜〜〜〜」
「でしょでしょー。これ入れる人だけの特権だよね」
「は〜〜〜〜〜最高」
「はい4分、プランジャーをぐーーっと押し下げて最後までプレスしてカップにつぎ分けます。がしかし、最後まで注ぎ切らずにこのくらいまで残す。過抽出になってるから」
「・・・おいしい!」
「そう?豆がいいからね」
などということがあったんですよと、本日さきほどスマイルさんに久しぶりに立ち寄り話をしたら
「ああー・・・じつは入れ方も微妙に進化してるのよねー」とのこと。
友よ。わたしはウソ教えとりました。いえウソじゃないにしても最新じゃない。
スマイルさんも日々のお客様との会話やら、プロが集う勉強会やら、買い付けに行かれる現地でやら、いろんな情報を見聞きされ、美味しい珈琲の入れ方も日々マイナーチェンジしているのであった。ボヤボヤしてたらおいてけぼりにされる店スマイル。すばらしい。これこそプロショップとしてあるべき姿だと思う。客もついていかなくっちゃ。
ということで最新(今日現在)の「美味しい珈琲の入れ方」のポイントはこうだ。
・ フレンチプレス本体を湯煎してあたためる。注いだお湯の温度をなるべく下げないために。
・ 注ぐお湯は熱湯。ヤケド注意。
・ お湯を注ぐときは、本体をちょっと傾けつつ、壁を伝わせるように勢いよくお湯を注ぐ。
そうすることで湯が対流し、粉がくるくる回って全体がお湯につかるからだ。
そろそろーっと注ぐと、泡と粉が層になりそーっと持ち上がるだけなので、層の下側だけ過抽出、上はぜんぜん抽出されずというばらつきが出る。
・ そうやって粉と湯をぐるぐる撹拌しつつ注いだら、4分放置。《1分後に表面をスプーンでこわし軽く混ぜる》というのは旧来の作法で必要なし。
・ 4分したらプランジャーを下げてプレスし、最後まで注ぎ切らないってのは変わらない。
あの《1分後に表面をスプーンでこわし軽く混ぜる》時の香りはたまらんので、その作法がなくなったことに一抹の寂しさを覚える。がしかし、最新のやり方の方が手間いらずとも言える。
それにしても、豆がよくって、焙煎も上手で、うまく挽けても、入れ方がだめだともったいないことになるわけだ。
おいしい豆の実力の8割で美味いと満足するよりも、やっぱり100%美味さを引き出して味わいたいもの。ちょっとしたコツが大事になるんですね。
などと新たな発見をする3年目の今日この頃であった。深いぜ珈琲。
で、そんなスマイルさんが「珈琲教室」をひらかれるという。定員4名、いまのところすでに満席らしい。
果たしてどんなディープな教室になるのであろうか。
その一端を教授していただいたので、続きはまた後日。
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